【洋服屋の未来⑤】アパレル販売員は生き残ることができるのか?番外編Part2

前回、アパレル販売員は、本来あるべき姿になりましょうというお話をしました。

今回は「アパレル業界はほとんどオワコン」というちょっと厳しい現実のお話をします。

あまり耳障りの良い話ではないです。すみません。アパレル業界に思い入れがあるからこそ伝える必要があるという気持ちになったので書きました。イヤな気分になる部分もあるかもしれませんが、許してください。

では、はじめます。

そもそも洋服屋さんは、夢見がちで良い意味でも悪い意味でも子どもぽい純粋な人が多い印象があります。お金よりも、ご飯よりも、洋服が好きな人多いのではないでしょうか?世の中は大変な状況になっていますが、洋服を楽しめる日常がこれからもずっと続いてほしいと誰よりも願っていることでしょう。

しかし、コロナ禍がもたらす業界への影響はみなさんの想像をはるかに超えるものになりつつあります。実際に業界自体の崩壊が現実のものになることを想定する必要が出てきており、レナウンの破綻は序章に過ぎません。それは、私ではなく世の中の有識者が明言しています。いち個人がどうこうできるものではありませんが、アパレル販売員のみなさんは職を失う危険があることを認識しなければならないのです。別に煽っているわけではありませんが、厳しい現実に直面していることは紛れもない事実です。

じゃあその現実に押しつぶされないためにはどうすれば良いのか?

私なりに少しだけ提言があります。あくまでも個人の意見ですので、参考程度に受け取ってもらうといいと思います。少なからずきつい表現が含まれていることをお許しください。

〈30代以下の人〉

●本当にファッションビジネスが好きなのか自問自答し、そうでなければ成長産業で働くことを考える。特に社会インフラとして必須のプログラミングスキルを必死に習得する。業界はファッションテックを図ろうともがいているので、プログラマーのニーズは高く年収もアップする。またスキルがあれば、ファッションビジネスの進化に貢献する仕事ができる。
●大都市圏(東京、大阪、名古屋)在住の人は、新しいビジネスモデルを取り入れているアパレル企業に転職することを検討する。残念ながら地方には革新的なアパレル企業は存在しない。関東を中小に「D2C」「サスティナブル」「エシカル」「セカンドハンド」「ライフスタイルファッション」など世の中に求められる思想を経営方針に組み込んでいる企業、もしくは大企業であっても安住せず新しいビジネスモデルにチャレンジしてる企業を狙う。間違っても百貨店中心に売上を作っている企業は選ばないように。
●個人がSNSを使って情報発信、宣伝ができるブランドで働いているのであれば、そこに最も力を注ぐ。個人の付加価値を高め、社内での存在感を向上させる。

〈40代以上の人〉

●リストラ、失業後の人生プランを一刻も早く準備する。起業経験や専門的なスキルなしにインターネットビジネスやデイトレーダーなどの一見華やかな世界にチャレンジすることはただのギャンブル。洋服しか知らない人が素手でその世界に突入したところで粉砕する。その道の一線を走る人は恐ろしく努力しているか、センスがあるかであって、安易に考えないように。簡単にお金持ちになれるなどの謳い文句のサギも多いので気をつけて。最近パーソナルスタイリスト的な起業もよく目にするが、集客、マーケティング活動に自信がない人はビジネスにならない。
●現金が必要になるので、いまのうちに自分のワードローブを整理する。現金化できるものは早めの方が。自身の洋服の棚卸を行い、自分にとって厳選した愛着のある一軍のみを残す。
●洋服だけに特化して働くことを考える時代は終わり、生活スタイルそのものをファッショナブルにしていくことを考えることがこれからの常識。会社員を卒業して、地方移住やミニマリストとしての生活、もしくはノマドワーカーを人生の柱にすることも検討する。それだけでは物足りないのであれば、その生活モデルを自身が実験台になって情報発信すると世界は広がる。

以上です。

今コロナ倒産数の業種別をみると、アパレルは宿泊、飲食に次いで3位で、その数はこれからも拡大していくでしょう。日本は中小、零細企業がほとんどなので、失業者数が倒産数に比例するとは限りませんが、状況が深刻であることは確かです。ゆえに何が起こっても動揺しないように準備しておくこと越したことはありません。是非参考にしてみてください。

最後にもう一つお伝えしたいことがあります。

それは、当たり前のように聞こえるかもしれませんが、健康を維持する生活を心がけることです。

このようなサバイバルな時期を乗り越えるためにメンタル、フィジカルともに健康でなければなりませんが、正直なところアパレル販売員のみなさんは、気を使っている人が少ない印象があります。

ただでさえ、日々の予算という重荷を背負わされメンタルが疲弊する毎日を送っている人が多いと思います。そんな中、他業種と比べ依然として喫煙率が高く、休憩時間の食事もインスタントやコンビニ弁当が主流です。何も毎日運動しろとは言いませんが添加物満載の食事は、免疫を下げ集中力の欠如や疲労感を生むことを認識しておく必要があります。実は優秀なビジネスマンほど、その理解が深く、食事を含めた生活において、みなさんが思っている以上に気を使っているのです。可能な範囲で構わないので、添加物の少ないものを食べるよう工夫をすることをオススメします。

今一度自分の習慣を見直して、アパレル人らしく凛としたファッショナブルなライフスタイルをはじめましょう。そして、来たるべき危機を乗り越えましょう。

ひとりでも多くのアパレル販売員の人が弱者で終わらないことを願っています。

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