パナソニックが気候変動対応に取り組む理由
パナソニックの創業者、松下幸之助は、企業の真の存在意義を考え抜き、1932年、37歳のときに一つの結論に至り、第1回創業記念式典を行いました。その中で幸之助は、「精神的な安定と、物資の無尽蔵な供給が相まって、初めて人生の幸福が安定する。自分が松下電器の真の使命として感得したのはこの点である。」と話しました。
以来、幸之助は生涯を通じて、この使命を「物心一如(ぶっしんいちにょ)の繁栄」という言葉で表し、人びとにとって「物も心も共に豊かな理想の社会」を実現することを目指し続けました。
また、こうした使命を持つ企業は、第一義的には社会のためのものであるべきと考え、「企業は社会の公器」という言葉で表しました。
今、「社会の公器」が成すべき、最も重要なことは私たちにとって明解です。
私たちが住むこの地球の気候変動に対して、行動すること。
子どもたちや、さらに次の世代の未来を蝕むであろうこの大きな変化を少しでも早く阻止し、より豊かなくらしを未来の世代に約束すること。
そう考え、改めてパナソニックグループの活動を見たときに、私はとてつもなく大きな責務を感じ、そして同時に、それをさらに凌駕する大きな可能性を確信したのです。
パナソニックは製造業であり、工場の稼働などの事業活動から年間220万トンものCO2を排出しています。
一方、パナソニックグループの製品は、世界で毎日10億人以上のお客様にご愛用いただいています。その消費電力からのCO2排出量は年間およそ8,600万トンと試算されており、工場から排出されるCO2のおよそ40倍にもなります。
さらに、当社のバリューチェーン全体からの排出量は、およそ1.1億トン、これは世界の電力消費の約1%に相当します。
この大きな「インパクト」に対し、私たちパナソニックは、何をしていくのか。
まずは、2030年までに、全事業会社のCO2排出量を実質ゼロにすること。
そして、商品の電力消費によって排出されるCO2については、一つひとつの商品を限界まで省エネ化することを通じて減少させます。しかし、先述したように、私たちのお客様にお使いいただく「製品の電力消費によるCO2排出量」の方が圧倒的に大きい、それらはエネルギー効率を上げる技術やソリューション開発を通じて減らしていく。
そのため、私たちは、B2B(対 企業)やB2G(対 政府・自治体)からお客様への省エネソリューションやクリーンエネルギー技術の提供を通じて、社会全体のCO2を減らしていきます。
これは、パナソニック単体ではなく、パナソニックが関わるその他の企業や政府も含め、全体でCO2排出を減らしていこうという社会を横断した取り組みです。
そして2050年に向けて、この領域における私たちの取組みを一層強化し、社会のクリーンエネルギーへの移行を加速させ、自社バリューチェーンからのCO₂削減も加速させていきます。
パナソニックグループは、くらし、街、モビリティ、サプライチェーン、モノづくりと、社会の様々な領域にまたがる企業グループです。
これらのビジネスでの競争力を磨き、それぞれのお客様に貢献するほど、カーボンニュートラルという未来に、より貢献できるようになるのです。
私たちの持つ責務のインパクトは大きい。しかし、私たちはそれを超えるグリーンなインパクトを目指す。
私たちのお客様に対するCO2削減の貢献を、「Panasonic GREEN IMPACT🔗」と呼び、これは持続可能な未来のための私たち、パナソニックのコミットメントです。
その達成のためにやらねばならないことは膨大であり、現時点で全てを想定できているわけではありません。しかし、我々の責務は明解です。私たち自身のためにも、未来の世代のためにも、私たちは、真正面から向き合い挑戦して行きます。