楠見 雄規@パナソニック

パナソニックグループCEO。大阪府生まれ、奈良県育ち。座右の銘「心は工【たく】みなる画…

楠見 雄規@パナソニック

パナソニックグループCEO。大阪府生まれ、奈良県育ち。座右の銘「心は工【たく】みなる画師の如し」。凝り性でとことんのめりこんでしまう癖あり・・・。趣味は、料理とロードバイク。

最近の記事

2024年度に新社会人になった皆さんへ・・・私が当社の新入社員に話したこと

新年度を迎え、私たちも新たに約1,700名の新社会人の皆さんを仲間に迎えました。 年度初めの風物詩になってきましたが、今回も、私が4月1日にパナソニック ホールディングス㈱・パナソニック オペレーショナルエクセレンス㈱の合同で開催した入社式で、新入社員に話した内容を紹介します。 はじめに新入社員の皆さん、ご入社おめでとうございます。今年も、多くの方々をお迎えすることができ、嬉しく思います。せっかくの機会なので、パナソニックの歴史と皆さんに期待することについて話します。

    • テレビCMで伝えたいこと

      今月から、パナソニックグループの地球環境問題への様々な取り組みを30秒CMとしてテレビで放映していくことになりました。初回のコンテンツは、私が昨年12月にドバイで開催されたCOP28(第28回気候変動枠組条約締約国会議)に参加🔗した際に収録したものです。 当社グループには様々な事業があり、事業会社制への移行とともに商品・商材の宣伝についてはそれぞれの事業会社で工夫を凝らして進めています。一方、グループとして今、多くの方に知っていただきたいこと、ご関心を持っていただきたいこと

      • 【入居報告】“地球にご迷惑をおかけしない家”の完成

        去年の7月に投稿した新居が完成し、無事入居を済ませました。 今年は2月に2回も3連休があるので、「さて、どこかに旅行にでも行こうか」という方も多いと思いますが、私は今はそういう気分になりません。自宅の居心地が良すぎるのです…。 以前の記事で、「最小限のエネルギー消費で、それを全て自前で賄う。当社の商材を使い、どこまでGREEN IMPACTをもたらす家を作れるかのチャレンジ」がコンセプトで、その一環として高い断熱性と気密性を実現した上で、全館空調・熱交換気システム「ウイ

        • 2024年の一文字は「啓」!!

          謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 1月1日に発生した令和6年能登半島地震により犠牲となられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。被災地域の皆様の安全と一日も早い復興をお祈り申し上げます。 さて、新年を迎えて、新たな挑戦を心に描いておられる方も多かろうと思います。私は2020年に「今年の一字」として「超」という字を書いて以来、今年の一字を書初めするのが習慣になりました。 昨年は「捷(かーつ)🔗」。 「誰にも負けない立派な仕

        2024年度に新社会人になった皆さんへ・・・私が当社の新入社員に話したこと

          ドバイにて、地球環境問題への思い新たに。~COP28への参加

          11月30日~12月13日にかけてアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで、気候変動対策を議論する国連の会議「COP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)」が開催されました。会場では参加国・地域・国際機関などによるパビリオンが設けられ、パナソニックも環境省が設置するジャパン・パビリオンに出展しました。 皆さんもニュース等で「パリ協定」という言葉をお聞きになったことがあると思います。パリ協定は2015年にパリで開催されたCOP21で採択されたもので、「世界の平均気温上昇を

          ドバイにて、地球環境問題への思い新たに。~COP28への参加

          NO MUSIC, NO LIFE!!

          唐突にタワーレコードさんの名コピーを「!!」つきでタイトルにさせていただきましたが、今回は音楽の話を少々。 以前、「昔の趣味復活・・・実はオーディオ オタク」で真空管アンプの話をしましたが、まぁ、音楽が先かオーディオが先かは分かりませんが、亡くなった父が大の音楽好きで、物心ついたころから家には「ステレオ」があって音楽が鳴っていたこともあって、私は音楽の無い空間に居ることが気色悪いのです。 父は主にはクラシックを好んでいましたが、小学校高学年になるとラジオを買ってもらって

          パナソニックが取り組むDXの理想と現実

          古めかしい社内の情報システム大変お恥ずかしい話ですが、実は、パナソニックの情報システムは、この20年間進化が止まっていました。 その主たる要因は、グループ内のそこかしこにある目に見えない負の遺産です。これは、システムを刷新すれば解消するという単純な話ではありません。現場には「10年、20年慣れ親しんだシステム上で続けてきた確立した業務プロセスである」とか、「現状のやり方でうまく回っている」といった変化を恐れる風土ができてしまっていました。 こうした負の遺産を残したまま、仕

          パナソニックが取り組むDXの理想と現実

          「変わってますね…」と言われる私の本の「使い方」

          よく聞かれる質問で、答えに窮する質問が「愛読書は何ですか?」です。 しかし、私には巷で言われるような「愛読書」(いつでも手に取れる場所に置いておき、何度も読み返す本)がありません。「愛読書の一つもなくて、よく社長なんかやってるなぁ!」という批判も聞こえてきそうです。 「過去読んだ本で、大いに学びになった本は何か?」と聞かれれば、(創業者・松下幸之助の著作を除き)とある研修で推奨されたヤマト運輸創業者・小倉昌男さんの『経営学』(日経BP)、マイケル・A・ロベルト教授の『決断

          「変わってますね…」と言われる私の本の「使い方」

          食おうや、福島!

          絶対に自信がある商品なのに、何かが足りなくて受け入れてもらえない…。 我々メーカーであれば、商品が十分に認知してもらえていないならば宣伝をする、あるいは人々の嗜好が変わったならば新たなニーズに合致した新製品を出すなど、自分たちで様々な手を打つことができます。 あるいは、発売をしたものの、機能や性能、品質が劣っていて売れ行きが悪いならば、それは自らの至らぬところですから、反省をして改善を図ることもできます。 しかし、憶測から噂を立てられて、自信のある商品が売れないというこ

          「地球にご迷惑をおかけしない家」に建て替え中

          突然ですが、実はいま、自宅を建て替えています。 ことの発端は、 妻:「いずれは孫もできたら遊びに来るし、そうするとダイニングも狭いし増築したいんやけど・・・」 私:「孫なんて、いつできるかわからんやん。」 妻:「せやけど、広くなったら、キッチンも広くできるで。」 私:「それもそやな。」(←料理好き) という流れで築20年余りの自宅を「増築」しようと考えたのですが、 調べてみるとこの20年の間に消防法による規制が変わり、元々の建物の構造では増築は無理とのこと。20年で建て替え

          「地球にご迷惑をおかけしない家」に建て替え中

          パナソニックの視点:気候変動問題解決は160年後の子どもたちへの責務

          1年半ほど前、「パナソニックが気候変動対応に取り組む理由🔗」と題して投稿させていただきましたが、その際に触れなかったことを少し綴っておきたいと思います。 当社の創業者松下幸之助が1932年に高らかに宣言したのが、「物心一如の繁栄」・・・「精神的な安定と、物資の無尽蔵な供給が相まって、初めて人生の幸福が安定する。自分が松下電器の真の使命として感得したのはこの点である。」という当社の「真使命」。そして、その時のもう一つの宣言が「250年計画」で、当時の一人の人が社会で働く平均期

          パナソニックの視点:気候変動問題解決は160年後の子どもたちへの責務

          そっか、川下り型だったんだ・・・でも、ん??

          若い方と話をしていると、よく「楠見さんは若い頃から社長を狙っていたんですか?」と聞かれます。 「若い頃から社長って・・・そんな奴はおらんやろ」と答えていたのですが、最近、スタッフの一人から「楠見さんって、”川下り型”だったんですね」と言われ、「何それ?」と聞くと、あらかじめ目標を決めてそこへ向かって一歩一歩進んでいくキャリア観を”山登り型”というのに対して、”川下り型”というのは、大きな方向感は持ちつつも目標に固執しすぎず、自分が大切にする価値観を軸に仕事に取り組んでいく、

          そっか、川下り型だったんだ・・・でも、ん??

          これから社会に出る皆さんへ伝えたいこと

          今年も早いものであっという間に3ヶ月が経過し、新年度を迎えました。私たちも2023年度のパナソニックグループ入社式を行い、新たに約1,100名もの新社会人の皆さんを我々の仲間に迎えました。 今回は、昨年に引き続き、私が当社グループの新入社員に話した内容を紹介します。今年から新たに社会人となる方だけではなく、今の仕事で悩みを抱えていたり、やりがいを見い出せずにいる方にも読んでいただき、何か変化を起こすきっかけにしていただけたらと思います。 +  +  + はじめに新入社

          これから社会に出る皆さんへ伝えたいこと

          つくづくSNS様様

          皆さんの会社では、組織や階層を超えたコミュニケーションツールはありますか? パナソニックグループでは、MicrosoftのYammerという企業向けSNSツールを活用したコミュニケーションが活発になってきています。 最近、Yammerはただのコミュニケーションツールとしてだけでなく、社内での組織・階層を超えた関係づくりや、フラットなコミュニケーションによる心理的安全性の向上に大いに役立っていると感じています。 社内サークル活動例えば、私は、グループCEO以前のオートモー

          関西人の私が「ロンドン」を好きになった話

          唐突ですが、皆さんは「海外に住むとすればどこがいいですか?」と聞かれたら、どの街を挙げますか? 私は単身赴任で住んでいた「ロンドン近郊」と答えます。 失敗で始まったイギリス1996年ごろ、私は、あるプロジェクトで日本とイギリス間を頻繁に往復していました。会社としてはそのプロジェクトは成果があったのですが、私が関わっていた部分は大失敗。そんな苦い思い出のあるイギリスに、今度は、2002年ごろ37~38歳くらいの時に研究開発(R&D)部門の責任者として出向の立場で赴任することに

          関西人の私が「ロンドン」を好きになった話

          2023年は「捷」‼

          新年、明けましておめでとうございます。 清々しい新年をお過ごしのこととお慶び申し上げます。 2020年に「今年の一字」として「超」という字を書いて以来、今年の一字を書初めするのが習慣になりました。 昨年書いた「挑」という字は、「パナソニックが事業会社制という新たな会社の形で、それぞれの事業が自主責任に基づいて、旧来のやり方に捉われずに改革に挑戦していこう」という意図で選んだ一字でした。 そして、今年は「捷」です。 「何だその字?」と思われる方も多いかもしれません。 「誰