見出し画像

少し寂しくて絵になる街。墨田区京島に来てほしい。

絵になる街は各地にあって

気ままにお散歩をしたり
写真を撮ったりして楽しくなるような
街ってあちこちにありますよね。

渋谷や六本木など都会に行けば
最先端で未来感や高級感のある景色が
広がっているので東京に観光に来た方は
その非現実な景色を楽しめるでしょう。

また、逆に北海道や九州・沖縄など
地方の有名な観光地に行けば風光明媚で
心が動くような景色に出会うことが
できますね。

*

こうした街と少し趣は異なる、
けれども絵になる街。


それが『下町』と呼ばれるエリアです。

人がこぞって足を運びたくなるような
景色やアクティビティがある訳でも
ないけど意図して再現できないような
昔ながらの街並みがエモーショナル。

休日に下町散歩なんていう過ごし方にも
スポットが当たるようになりました。

ディープな下町。墨田区京島

そんな一風変わった楽しみを与えてくれる
下町の中でもディープなエリア。

それが僕が主な拠点としている京島です。

東京スカイツリーがある押上駅と
東武線曳舟駅の中間にあるこのエリアの
特徴は曲がりくねった細い道、長屋を
はじめとする古い建物
です。

Googleマップで調べてもらうと
どのくらい道がぐにゃぐにゃしているか
よくわかると思います。

同じ墨田区でもスカイツリーを挟んだ
反対側のエリアが綺麗に碁盤の目状に
なっていることもその特徴を
際立たせています。

ひとたび細い路地を歩けばまるで、
気の向くまま彷徨う猫になったかの
ような気分になれる街並み。

*

こうした地理的特徴はこのエリアが
空襲や大規模災害の被害から
奇跡的に逃れてきた歴史を意味します。

その雰囲気を一目見ようと、カメラを首から
下げた方の姿をチラホラ見かけたりも。

僕も写真を撮るようになってよく
わかりました。街が醸し出すレトロな
雰囲気はどこを切り取っても絵になるのです。

違った角度から見る街の話

曲がりくねった細い道や長屋が
街を特徴づける一方で、同時に困難を
抱えているエリアでもあります。

それは災害リスク。
長屋は古い建物なので災害に弱いとされ
細い道は避難や緊急車両の通行を阻みます。

これまで長らく災害から逃れてきたことが
逆に現代にリスクを残すことに
なってしまっている側面があるのです。

東京都と墨田区は古い建物の建て替えや
道路の拡張など防災リスクを軽減する
施策に力を入れていることもあり
古い建物が建て壊しになっている
光景を度々見かけます。

こうした動きはとても大切なことですが
象徴的な建物がなくなることに少し
寂しさを感じることも事実です。

ぜひ遊びにきてほしい理由

京島の災害リスクは全国でも上位に
ランクインしていて、
僕が市役所に勤めていた時代に
他の自治体の防災担当の方に京島のことを
話すと皆さんほぼご存知でした。

市役所にいた身としては日々の暮らしを
安全に維持することの大切さを知っている
つもりですし、建物の人も新陳代謝
していかないと街は古くなり
活気がなくなってしまいます。

だからこそ、変わりゆく景色を今のうちに
目で見てほしいなと思います。

魅力あふれる個人店が沢山

京島の魅力はレトロな雰囲気だけでは
ありません。

数年前からこのエリアの古い物件を
活かして小さな個人店が
街を彩るようになりました。

建物の小ささを良い意味で活かしたような
距離感の近さや、店主の方の個性が全面に
出る雰囲気はチェーン店にはない魅力が
詰まっています。

昔からこの街を知る方からすれば
信じられませんが、定期的に
OZマガジンで特集されるほど!

きっとお散歩に花を添えてくれるはずです。

さいごに

街の魅力は翻って弱点だったり
することがある。

そんなリアルさを感じることのできる
京島を僕は大好きです。

建物も道も狭いがゆえに人と人の
距離感が物理的に近い。

これは言葉を交わすことがなくても
人の存在を感じられる、なんとも言えない
心地よさがあります。

不動産のメディアが切り取るような
世代を超えた住民同士の結びつきは
特別あるとは思いませんし、
レトロな面を一方向から見て
称える記事にも疑問が浮かびます。

それでも長屋文化が象徴する
『人の気配がいつもする』
雰囲気が残っていることは間違いありません。

数年後はまた形を変えてしまうかも
しれない墨田区京島にぜひ足を運んで
その空気を感じてもらえたらと思います。

*

京島をはじめとする下町の景色を
Instagramに投稿していますので
ぜひご覧いただけると嬉しいです。

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?