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口語俳句 作品集 6 〜梅一輪〜


「 梅一輪 」
~口語俳句〜

とおぞらよへいわのように正月凧


梅いちりんさむい心によりそって


撒きまいてしおの花咲く正月場所


にわひとつかおりのなかよ水仙花


寒鯉よにしきのいろをあたえられ


じんせいよときはながれて冬の虹


寒つばきひと花ごとに散りごころ


いちりんをそっとつつむ手寒牡丹


日がしずむあかいちめんの大枯野


村ひとつとし老いながら春待つか


鳴きだしてふくろうという夜の山

顔沈めふかふか巻きのマフラーよ


花束よつぼみもやがてふゆの薔薇


取りまぜてサラダにもなれ花野菜


げきどうの時代ときおりふゆの虹


雪おんなふぶく夜の山そのものが


背負い投げ背負い投げられ寒稽古


ぜんいんが大渦のなかスケート場


のぼる船ながされつつよふゆの川


枯葦にただある枯れの見ごたえよ


マンションのB棟ほのと冬夕映え


手かかげてまたたく光オリオン座

かおを身にうずめてふくら雀らよ


いつまでもぽりぽりぽりよ年取豆


あおぎ見てこころがそこに冬銀河


枕もとの灯りをけしてふゆ終わる


地上までエスカレーター今朝の春


このあたり日なたのかおり黄水仙


梅一輪世はこれからということか


はば跳びよ8メートルのさきに春


早蕨か野やまが立ち上がるように


さえずりよ山やまが丈けきそう空


来る傘はあなたでしたか春しぐれ


01月24日〜02月04日


現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です

ふだんの話し言葉・句読点・記号・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き

なども活かして必要最小限使用しています


下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です

◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体

◇口語=口語体=現代語=書き言葉(文語体)
         ∟==話し言葉(口語体)


◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い

◇その他 記号・句読点・外国文字など


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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