口語俳句 作品集 6 〜梅一輪〜
「 梅一輪 」
~口語俳句〜
とおぞらよへいわのように正月凧
梅いちりんさむい心によりそって
撒きまいてしおの花咲く正月場所
にわひとつかおりのなかよ水仙花
寒鯉よにしきのいろをあたえられ
じんせいよときはながれて冬の虹
寒つばきひと花ごとに散りごころ
いちりんをそっとつつむ手寒牡丹
日がしずむあかいちめんの大枯野
村ひとつとし老いながら春待つか
鳴きだしてふくろうという夜の山
◇
顔沈めふかふか巻きのマフラーよ
花束よつぼみもやがてふゆの薔薇
取りまぜてサラダにもなれ花野菜
げきどうの時代ときおりふゆの虹
雪おんなふぶく夜の山そのものが
背負い投げ背負い投げられ寒稽古
ぜんいんが大渦のなかスケート場
のぼる船ながされつつよふゆの川
枯葦にただある枯れの見ごたえよ
マンションのB棟ほのと冬夕映え
手かかげてまたたく光オリオン座
◇
かおを身にうずめてふくら雀らよ
いつまでもぽりぽりぽりよ年取豆
あおぎ見てこころがそこに冬銀河
枕もとの灯りをけしてふゆ終わる
地上までエスカレーター今朝の春
このあたり日なたのかおり黄水仙
梅一輪世はこれからということか
はば跳びよ8メートルのさきに春
早蕨か野やまが立ち上がるように
さえずりよ山やまが丈けきそう空
来る傘はあなたでしたか春しぐれ
01月24日〜02月04日
現代語・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です
ふだんの話し言葉・句読点・記号・
カタカナ・外国文字・アラビア数字・分かち書き
なども活かして必要最小限使用しています
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体
◇口語=口語体=現代語=書き言葉(文語体)
∟==話し言葉(口語体)
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
◇その他 記号・句読点・外国文字など
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
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