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口語俳句 作品集 2 〜ふる雪〜


「 ふる雪 」
~口語俳句〜

京というふる雪というしずかさよ


おどろいて水さわぎだす浮き寝鳥


手ばかりがいきいきうごく冬耕よ


はたらいてよい日があたる蜜柑山


木がらしよ神社の夜明け寺の暮れ


鬼がわら目をみひらいて霜の屋根


一つに手あわす神社よ冬あたたか


あさは掃きひるは焚きあげ神無月


にんげんがまっさきに暮れ浜焚火


ゆきだるましろじろと見え夜の奥

いちまいのそらごとふゆの空港か


自分との対話とホットコーヒーと


冬菊よ子にはすべてがめずらしく


ひとひらにはじまるゆきの山陰よ


町おこししてもしてもよ雪が降る


はじめての老はじめてのさくら鍋


夕映えよこころに据える雪の富士


降るあめよ暮れていちにち浮寝鳥


巻く風が家ゆさぶってこたつの夜


そのおくのおくから来るか熊の山

とどく陽よ野のどこかより冬の蝶


牧場はおおきな日なた冬あたたか


門松が立ちはじめたか日ざしなか


かんぱいの手ごと手ごとよ忘年会


熱燗よことばなくてもあたたまり


交番よ灯ひとつともるとしのくれ


風邪ぐすりおおきくうごくのど仏


とうきょう駅一灯としてふる雪よ


星出ればあおぐこころも年の暮れ


いちねんがここにおちつく落葉焚


11月27日〜12月09日


口語体・現代仮名づかい・現代的切れ字
を基本にして詠んだ作品集です


いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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