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現代俳句 作品集 46 〜流星群〜


「 流星群 」
~現代俳句〜

手のさきをひねりながらよ阿波踊


ひこうき雲きえて八月過ぎゆくか


白菊がまっしろに咲く日なたこそ


あしもとよ落ちてかさなる桐一葉


水のうえにころがしておけ大西瓜


しろじろと沖きらめいて九月来る


頂じょうよいくつつらなる霧の山


梨狩りの空がもっともあかるいぞ


照らされていまがなつかし秋夕焼


この星にみみをすまして虫の夜よ

顔上げてぐるりいちめんいわし雲


椎の実がふってくる空リス立つか


草のそらつぎつぎに絮飛び立って


吹くたびにかんじる空よ草のわた


日を浮かべ人を浮かべてすすき原


駅の空とんぼばかりのゆうぐれか


月あかりあすには道後去りゆくと


ぬくめ酒甘いいっぱいいっぱいが


あきの灯よページをめくる本の旅


航海のそらまっぷたついなづまよ

垂れすすきふさのさきまで重力よ


螺旋階段秋のそらへと行き着くか


木にとまる鳶したたるか秋のあめ


ふつかまだ河しずまらず台風あと


あおあおと水の地球のつゆけさよ


くるくると西瓜ころがれ水のうえ


摘むたびに日がさしこんで葡萄棚


木にとまる鴉は暮れずあきのくれ


ゆうぐれの炭火あかあか栗を焼く


流星群ゆびさしてよりつぎつぎよ


08月29日〜09月12日


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