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現代切れ字十八字 ~現代語の俳句の切れ字集~


現代語で詠む俳句にご興味のあるみなさまに、その楽しさや魅力をご紹介する記事です


現代の言葉で俳句を詠みたいときに
使える切れ字をまとめてみました

◇現代切れ字 十八字(推奨)

よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ


次のことを重視して集めました

①現代の言葉で俳句を詠むときに使えること
②現代の語として一般に通用すること
③切れ字として現代で機能すること

次のように使えます

遠くからながめる富士の涼しさよ

ひきがえるどっしり命そのものか

寒がらす人の世もっとさびしいぞ

 

「切れ字」とは、俳句の中で区切りをつけるためにつかわれる字や言葉のことです

区切りをつけることによって、1句に間が生まれ、大きな余韻が生まれます

俳句で使われる切れ字でよく知られているのは「や」「かな」「けり」の3つだと思います

啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々

夜の雲に噴煙うつる新樹かな

滝落ちて群青世界とどろけり   

水原秋桜子

うまく使うことができれば、余韻が深い俳句を、格調高く詠みあげることができます

ですが、あたらしく俳句をはじめる方々は、これらの切れ字を使うことに最初は強い抵抗があるようです

それは何が原因かというと、やはり「言葉の古さ」ではないかと思います

や・かな・けりは、現代の一般の人々にとっては、古典のなかで使われている言葉でしかありません

現代の俳人の方の多くは、古典的作品をいまでも熱心につくりつづけているという見方もできそうです


現代語で俳句を詠む俳人の方もいらっしゃいますが、切れ字をあまり使わない方がほとんどのように感じていました

現代でも違和感なく使える切れ字(推奨)を
今回まとめてみました



さいごに「切れ字」についてもう少し

や・かな・けりの三大切れ字のほかにも、切れ字はたくさんあります

遠く和歌の時代から使われていて、連歌・俳諧・俳句でも使われるようになったそうです

代表的な切れ字は、時代にあわせてすこしずつ増やされながら現代に至っているようです


◇切れ字 十八字   
鎌倉~室町時代


や・かな・けり・よ・か・ぞ・に・へ・せ・
ず・れ・け・ぬ・つ・し・じ・らむ・もがな


◇切れ字 二十二字  
 安土桃山時代


や・かな・けり・よ・か・ぞ・こそ・ぬ・し・
じ・む・を・は(ば)・さぞ・いさ・いつ・
いかで・いづれ・いく・もなし・もがな・げぢ


等々


松尾芭蕉は、「使うときは、いろは四十八字すべてが切れ字」という究極の言葉をのこしています 


ここまでご覧いただき
ありがとうございました


*これらの切れ字についてはひとつひとつ十分な使用と検証が行われる必要があります

*俳句については、個人・団体によって様々な考え方や見解があります


◇引用 作品収録句集

水原秋桜子  句集『葛飾』
(笹書房、1951年)

水原秋桜子  句集『帰心』
(琅玕洞、1954年)


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