現代俳句 作品集 46 〜流星群〜
「 流星群 」
~現代俳句〜
手のさきをひねりながらよ阿波踊
ひこうき雲きえて八月過ぎゆくか
白菊がまっしろに咲く日なたこそ
あしもとよ落ちてかさなる桐一葉
水のうえにころがしておけ大西瓜
しろじろと沖きらめいて九月来る
頂じょうよいくつつらなる霧の山
梨狩りの空がもっともあかるいぞ
照らされていまがなつかし秋夕焼
この星にみみをすまして虫の夜よ
◇
顔上げてぐるりいちめんいわし雲
椎の実がふってくる空リス立つか
草のそらつぎつぎに絮飛び立って
吹くたびにかんじる空よ草のわた
日を浮かべ人を浮かべてすすき原
駅の空とんぼばかりのゆうぐれか
月あかりあすには道後去りゆくと
ぬくめ酒甘いいっぱいいっぱいが
あきの灯よページをめくる本の旅
航海のそらまっぷたついなづまよ
◇
垂れすすきふさのさきまで重力よ
螺旋階段秋のそらへと行き着くか
木にとまる鳶したたるか秋のあめ
ふつかまだ河しずまらず台風あと
あおあおと水の地球のつゆけさよ
くるくると西瓜ころがれ水のうえ
摘むたびに日がさしこんで葡萄棚
木にとまる鴉は暮れずあきのくれ
ゆうぐれの炭火あかあか栗を焼く
流星群ゆびさしてよりつぎつぎよ
08月29日〜09月12日
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
◇関連記事◇
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?