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2023年6月の記事一覧
現代俳句 作品集 41〜黄金虫〜
「 黄金虫 」
~現代俳句〜
さきがけて雨の大地にあやめ咲く
降るあめの凝縮されてあじさいか
青天に帆をはりづめのヨットこそ
浜にでてみるみるひいてゆく汗よ
国民のながいちんもく梅雨に入る
むらさきよ旧家の池の花しょうぶ
身をつつむいってきの香よ香水瓶
あさぞらに咲きほどけては蓮の花
どこの水富士よりの水ところてん
航海の夜ぞらふるわすかみなりか
◇
新幹線富士過ぎてゆく
現代俳句 作品集 40 〜噴水〜
「 噴水 」
~現代俳句〜
風のおとあたまにのせて麦わら帽
降り立って黄色い島よなつみかん
なつしおのうず巻きやまず海に穴
航跡のせとないかいよなつの暮れ
はしりだすひとかたまりの船虫よ
繁華街灯したたらせて梅雨に入る
飲みくだす喉のちからよ黒ビール
生き死にの音ひびかせて蠅たたく
鳴りひびくおと見えるかに風鈴よ
百年でみなわすれられほたるの夜
◇
山みちは雲のただなかさ