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現代俳句 作品集 41〜黄金虫〜


「 黄金虫 」
~現代俳句〜

さきがけて雨の大地にあやめ咲く


降るあめの凝縮されてあじさいか


青天に帆をはりづめのヨットこそ


浜にでてみるみるひいてゆく汗よ


国民のながいちんもく梅雨に入る


むらさきよ旧家の池の花しょうぶ


身をつつむいってきの香よ香水瓶


あさぞらに咲きほどけては蓮の花


どこの水富士よりの水ところてん


航海の夜ぞらふるわすかみなりか

新幹線富士過ぎてゆくすずしさよ


指先でもちあげつつよいちご摘む


庭を掃くおとたえず寺ほととぎす


大岩に触れた手からもしたたるか


つので空ひっくりかえすかぶと虫


水中へしなる釣りざおなつのかわ


かじりつくトマトたとえば水の玉


一票をこつんととうじ梅雨明けよ


いっぽんのうちわと蚊取り線香と


ゆったりとした明滅よほたるかご

繁華街手ぶらであるくすずしさよ


平和の世ふんすい空にかがやかす


震度六そのまま止まるふんすいよ


ただよってじぶんとくらげ水族館


夏のうみゆびでたどって地球儀よ


ふるさとの大きさほどの神輿行く


尾をふってときながれだす金魚鉢


たいりんの向日葵地球そのものよ


こがねむし少年じだいかがやくか


弱の風吹かせて真夜のせんぷう機


06月13日〜06月26日


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