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昔の話

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私がこれまで経験してきたことを書いている記事です。
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#入院

時間の感覚

時間の感覚

私は生まれつき重度の口唇口蓋裂だったので、0歳から20歳までの20年間のうちでたぶん10回以上は入院して手術をしてきました。

手術が終わるとたいていしばらく動けずにベッドの上でただ天井を眺めているだけになります。
そうすると時間の感覚が無くなっていくのです。
皮膚が突っ張るような痛みが出たり、消えたり。
顔周りに残る違和感を感じたり、いつの間にか気にならなくなったり。
誰か話しかけているけど、顔

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入院手術の思い出【その2】

入院手術の思い出【その2】

腰の骨を口の方へ移植するという大手術が終わり、しばらくは平穏な日々が続いていました。

やはり人間の体というのは少しでも欠けると不具合が出ます。
腰をぶつけたりすると激痛が走るのでしばらくは何をするにも慎重になっていました。

高校生になったころ、病院の先生から次回の手術について話をされました。
「今度は頭蓋骨を少し取って鼻すじの骨に移植する手術をします。」
「頭を切ることになるので、出血が多くな

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入院手術の思い出【その1】

入院手術の思い出【その1】

自己紹介の記事に書いていますが、私は生まれつき『口唇口蓋裂』という病気でした。
簡単にまとめると、赤ちゃんはお母さんのお腹の中で顔ができるときに鼻と口は両側から伸びてきてくっついて形作られるそうなのですが、何かの原因でくっつかず、真ん中でパックリ割れている状態で生まれてきてしまうという状態です。

そのままではミルクも飲めないということで、私は生まれてすぐ手術をしたらしいです。
母は赤ちゃんの私と

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私の20歳までの話

私の毎日は特筆すべきこともなく平和です。
こんな穏やかな日々を過ごせるようになるなんて小さいころは思ってもみませんでした。

私は生まれつき口唇口蓋裂という病気で、0歳から20歳まで入院手術をしたり、歯の矯正に通ったりと落ち着かない日々を過ごしていました。
小さいころは何で入院しなければいけないのか、手術が必要なのか全然わかっていませんでした。

自分が口唇口蓋裂という病気だったと知ったのはずいぶ

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