自作 恋愛小説 人工的なラブソング

こんにちは。
この前noteにあげさせていただいた自作 恋愛小説 人工的なラブソング
のプロローグに続き、第一章もかきました。
プロローグをまだご覧になっていない方がいたら、
ぜひそちらもご覧ください。

人工的なラブソング
第一章 あいつの目的
あいつというのもなんだし、「ジャガイモ」とでも呼んでおこう。
ジャガイモは、ある日突然私の前に現れた。

あぁーあ。
毎日高校行くのって、ゆーうつだなぁ。
家にこもってゲームしたいのになぁ。
毎日、おんなじような日を繰り返すみたいだしさ。
ゲームの中では、毎回違うことが起こってさ。
絶対現実より楽しいもん。
そんなことを考えながら、私は授業を受ける。
受けるといっても、もちろん内容なんて頭に入ってこない。
手元にあるノートにはアラビア語のような字が並んでいる。
そしてその横には、ド〇えもんの絵。
まるで小学生が書いたようなノートだ。
昼食を食べて、また同じように授業を受ける。
高校での雄一の救いは、友達がいることだろうか…
そんなことを考えるうちに授業が終わった。
学校からダッシュで家まで帰る。
家に帰って、”いつもなら、誰もいない家”に入る。
「ただいまー」いつもの癖で誰もいないはずの家に呼びかける。
そしてリビングでゲームの準備をする。
すると、後ろから声がした。
すぐに振り向いた。
そこには、黄色くて動いてしゃべる地球外生命体のようなものがいた。
私は、突如家に現れたジャガイモを、たまたまポケットに入っていた
ハエたたきで吹っ飛ばした。
それはもう、見事なフォームで。
私は自分でジャガイモをぶっ飛ばしたのに、冷静になっても今の状況が吞み込めなかった。
私が頭を抱えているのに追い打ちをかけるかのように、ジャガイモが復活してきた。しかも後ろから。私の肩に手をのせて、何かを語っているようだった。だけど、何にも耳に入ってこない。
完全に頭がこんがらがっている私にジャガイモが言った。
「君には恋心だとか、乙女心だとか、そういう青春的なものが足りてないよ。ボクが君のレンアイを手伝ってあげるね!」
………………………は?

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