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心が乾いて、感情が死にかけていたあの日聞いた歌〜RIC・ウツ編#3

人生で初めて精神科のカウンセリングを受けて、鬱と診断された。

安定剤と鬱のお薬が2種類、そして眠剤。
診断後から、お薬を飲み始めるようになった。

お薬の影響もあって、いつも体がダルかった。

ベッドで過ごす日が増える。
体が思うように動かない。

ベッドよりずっとずっと底の、
畳の下に吸い込まれるような感覚によく襲われた。

心が乾いているようで、
どんなことにも鈍い反応しかできなくなっていた。

このまま消えてしまいたい。

生きること。ただ、それだけがすごくしんどかった。

なんで、ここまでして生きて行かなあかんの?

そんな考えがいつも頭の中を巡っていた。

***

そんな人生のどん底だったある日、
仕事の用事で、市役所へ手続きに行くことがあった。

その帰り、どこからか聞こえてくる歌声が私を捉えた。

男性のコーラス。文化ホールからだった。

ホールの前にいる受付の方にこれは何の催し物かと尋ねた。少し必死だった。

地元の大学の男声合唱団が歌う無料のイベントだという。
話を聞くやいなや、吸い込まれるようにして中へ入った。

薄暗いホールの中に、腹の底から響いてくるような力強くて、清らかな歌声が広がっていく。

とめどなく涙が溢れた。

なんでこんなに涙が止まらないんだろう。

***

どんな人の中にも、「いのちの核」というものがあります。

いのちの核は、愛そのものであり、賢さと優しさが溶け合ったものです。

そのいのちの核はずっと、メッセージをあなたに向けて放ち続けています。

いのちの核はすべてをわかっていて、いつもあなた自身を通して、大切なことを教えてくれています。

自分を癒やし愛することを忘れている日々の中で、ふと音楽に聴き入ってしまうとき、なんとなく絵に惹かれて立ち止まるとき。

そんな瞬間に、いのちの核は少し顔を出してくれています。

私のあの時の涙も、いのちの核が「わかってほしい」と訴えていたものと繋がれたことで出てきたものだったのかもしれません。

どんな状況でもあなたを支えていて、いつでもどこまでもあなたの中に在るんだよ、と。

いのちの核なんて、ちょっと突飛で、不思議に思った方もいらっしゃるかもしれません。

でも、今ははっきりとわからなくても、頭の片隅に置いておくと、きっとわかる時が来ると思うんです。


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