鬼に追われて130日。
「130日」
これは今日までの毎日投稿の日数であり、前回毎日投稿をやめた日数である。
辛い、苦しい。
「なにか書かなければ」「投稿が途切れる」と、鬼に追われているような切迫感を毎日感じていた。
「鬼から逃げる」
つまり「毎日投稿をする」。
これしか僕にできることは無いと思いながら走っていると、人が一人、その場で立ち尽くしているのが見えた。
「逃げなければ鬼に食われるぞ」
そんな言葉も届かぬうちに、その人は鬼に食べられた。
どんな映像が浮かぶだろうか?
自分の体を掴んだ鬼の手を、必死に振りほどこうともがき、「やめろ!離せ!助けてくれー!!」と、泣き叫びながら食われるシーンだろうか。
まぁそれが正常な想像だ。
だが僕が見たその人は、掴まれようとも無情であり、「食われるぞ」という時になってようやく表情を変えたと思えば笑っている。
女神様が救いの手を差し伸べているかのような、喜びに満ちた笑みだった。
「そうか。立ち止まって食われてしまえば”終わり”が来るのか。」
そう思うと、走る足が徐々に緩み、果てにはその場で立ち尽くした。
「もうすぐ終わる」
このままここで立っていれば、救いの手が差し伸べられる。
そうなれば、この辛く苦しい逃走劇は終演だ。
鬼が後ろに立っている。
先ほどまであれだけ恐ろしく、それゆえに逃げていた鬼であるが、今は全くの無情である。
あれからどれほどの月日が経ったのだろうか。
僕は鬼に食われたのか、はたまた途中で怖じ気づき逃げ出したのか。
どうなったのかは覚えていない。
わかっているのは今日また、この日を迎えたということだけ。
しかし、今日のこの日は前のこの日とは全く別の”この日”である。
あれだけ鬼気として迫っていた鬼はどこにいる?
逃げるために使い回した四肢の疲れはどこにある?
立ち尽くした大地は?食われたあの人は?確かにこの心にあった無情はどこへ行った?
すべてがここに無く、すべてがここにある。
並行世界というものが、もし仮にあるとするならば、これのことを言うのだろう。
奇しくも今日が毎日投稿130日目であり、あの日のように落ち気味のビューやスキの数がある。
条件は整っている。
いつ鬼が出てもおかしくはない。
いや、もう出ているのかもしれないし、すぐ後ろにいるのかもしれない。
だけど今日は、もう少し先に進んでみよう。
いざ!毎日投稿未開の地へ!
以上!くろだでした。
読んでくれてありがとうございました。
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