意味がないという希望
この世界で最悪なこと
永劫回帰
哲学者 ニーチェは
どう生きるか?を考えるために、
まず、世界で最悪なことを考えました。
それは、失恋 すること。病気になること。破産すること。ではありません。
そして、死ぬことではありません。
では最悪なこととは何でしょうか?
それは世界が無限に繰り返されている可能性があるということです。
永劫回帰といいます。
無限に転がり続けるビリヤードの玉がある(台の上に一球だけがある)として、一度打ち出した玉はいつか必ず最初に打ち出した場所に戻ります。
そして最初に打ち出した時と全く同じルートをもう一度 たどることになります。
世界はこのように永遠に繰り返されるもので、
成長してどこかに向かって行っているわけではないとしたら私たちの営みに意味はないと考えられます。
私たちの行為が結果に対して世界を変化させていない。
また同じ場所に戻る。
永劫回帰。
これが最悪なことだと、
ニーチェは言いました。
山手線に乗り続けても遠くへはいけない。
だったら何のために電車に乗っているのか?
私たちは何のために生きているのでしょうか?
意味がないという希望
私たちは永遠に同じ状況を繰り返している可能性があります。
成長や何かしらの目的地に向かうことに価値があると定めた場合、永劫回帰には何の価値もないということになり、私たちの人生は無意味ということになります。
しかし ニーチェは続けて、
確かに この世は永劫回帰しているかもしれない。
それでも今生きていることを楽しむ。
永遠に繰り返されようとも関係ない。
自分で自分の人生を充実させる。
という意思を持つ人を超人といい、
超人になるべきだと言いました。
自分で自分の人生を充実させるというのは、
自分で目的を作ってそれを達成していくということです。
世界に意味はないと言いましたが 、
それは与えられる絶対的な意味がないということです。
意味がないなら自分でつけて良いのです。
意味づけや価値づけを、
自分ですることができる自由度があるのです。
与えられる意味があればそれに則っていくしかありませんが、
与えられる意味がないことによって、
自分でそれを設定し達成していくことができるのです。
永劫回帰する世界の無意味さによって、
私たちは自分で意味をつけられるという希望を持つことができるのです。
世界に絶対的な意味がないというのは、
自分が世界を自由に設定できるという希望なのです。
あなたはあなたの人生に、
どんな意味をつけますか?
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