長時間労働マインドの支配から逃れよ
ちょっと刺激的なタイトルにしてみました^^;
僕は、時間外労働時間なんてまったく気にしない働き方をしていました。
自分が働きたいのだから、たとえ過労死ラインと呼ばれる80時間や100時間を超える時間外労働をしたって、個人的には苦ではなかったからです。
自分がやりたいから、この仕事が楽しいからやる。
そんなスタンスで、普通に80時間を超える時間外勤務をしていました。
しかし、自分の子どもが産まれてからは、自分の時間と家族の時間、そして仕事の時間をきちんと見直す必要性を感じました。
純粋に、毎日子どもの顔を見たいという思いもありましたし、家族との時間が安定していないと、自分のメンタルも安定しません。そのメンタルは仕事にも影響してしまいます。
だから、僕は働き方を見直し、時間外勤務を減らすことに力を注ぎしました。もちろん、学級の子どもたちや職場の同僚に迷惑をかけないことは、絶対条件です。
ところがそれは、一朝一夕でできるような簡単なものではありませんでした。
この記事では、もうすぐ子育て歴5年となる僕が、時間外勤務時間をなかなか減らせなかった理由についてお話します。
➣長時間労働マインド
自分一人で40人近い子どもたちを担任することは、なかなか大変です。
「早く帰宅しようと思っていたのに、もうこんな時間」
なんてことが毎日続きます。
この時期は、ある程度時間を犠牲にして経験を積まないと、担任としての仕事が回らないでしょう。
それでも、2~3年経験を積むことで安定した学級経営ができるようになっていきます。
安定した学級経営ができるようになると、仕事が楽しくなってきます。
もっとこうしたい。
こんなこともできるんじゃないか。
そうやって、自分のやりたいことがどんどん生まれてきて、カタチになって、実現していくことができます。
そしてまた改善し、新しいチャレンジへ。
このサイクルをガンガン回していくことで、自分のスキルを高めることができるでしょう。スキルアップや自己投資の時間と思えば、とても価値のある時間です。
そんな中で生まれてくるのが、長時間労働マインドです。
長時間労働が苦ではなく、むしろ楽しんで仕事をしている状態。これが体に染みついていきます。
長時間労働マインドの厄介な所は、一度染みつくとなかなか抜け出せないということです。大げさに言うと、依存性があります。
行事など、自分の費やした時間分、大きな成果が帰ってくると強烈なドーパミンを感じて病みつきになります。そして「時間をかけて頑張ってよかった」と長時間労働を肯定してしまうのです。
また、長時間労働マインドに支配されていると、仕事を減らすことへの罪悪感が生まれます。
例えば、
「結婚して家庭をもった。今年は早く帰るぞ」
と思っていても、
「まだあれもやっていない」
「これもしたいのに」
という気持ちが押し寄せてきます。
今までやってきたことを削っていく自分が手を抜いてしまっているのではないかという錯覚に陥ってしまうのです。
僕の場合、長女が保育園に通い始め、ほぼ毎日お迎えに行かないといけなくなった年に、この罪悪感に襲われました。
まだやれること、もっとこうした方がいいと思えることがあるのに。時間だから帰ろないといけない。
そうやって無理やり帰宅しても、結局、翌朝5時に出勤して仕事をしていました。
一度染みついた長時間労働マインドはなかなか抜け出せないのです。
結婚したから。
子どもが産まれたから。
新しいことに挑戦したいから。
このような理由で時間外勤務を減らそうとする人は多いですが、実際のところ、なかなか減らせずに苦しむ人も少なくありません。
時間外勤務が多い方が頑張っている人で、少ない方が手を抜いている人。
そんな風に考えてしまうのは、昔から続く日本社会の風潮なのかもしれませんが。
➣仕事の本質を探る
依存性と罪悪感。これとどう向き合うのか。
ここを乗り越えないと、一生長時間労働マインドの奴隷となってしまいます。
僕は育休前まで、時間外勤務時間が多くなるのは組織のせいだと思っていました。
しかし、それはこの罪悪感から自分を守るために責任転嫁しただけだと気づきました。
同じ学校にいて、同じような立場で働いている同僚には、自分よりもはるかに短い労働時間で働いている人もいます。
その人が手を抜いているだけなのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
そういった人たちの多くは、やるべき仕事の本質を見抜く力があるんだと思います(残念ながら稀に手を抜いているだけの教師がいることも確かですが)。
僕の職場にも、もうすぐ定年の女性の方で、定時の20分ほど前に出勤し、定時ぴったりに退勤する、担任をおもちの先生がいます。
その方は、定年間近とは思えません。すっと伸びた背筋、若々しい笑顔、そしてオシャレ。仕事も人生も楽しんでいるようです。プライベートが充実しているから、仕事への活力が湧いてくるのでしょう。
僕も定時に帰った時に、駐車場まで歩く1分程の間に話ができました。
「僕も先生のように、いつも定時に帰れるようになりたいです^^;」
「早く帰るって大事なことだよ。私は手を抜くところを知っているから早く帰れる。担任する子どもたちに直接関係しないことは、ちゃちゃっとやっちゃえばいい。思い切って割り切ることも大切だよ」
まさに熟練の目で仕事の本質を見抜き、自分の職責を全うしているんだなと感じました。
僕は、この先生のおっしゃる通り、仕事の本質を見抜き、より短い時間で、同じ(もしくはそれ以上)の成果を上げる方法を探っていくことが最も重要であると考えています。
これは「エッセンシャル思考」の実践です。
長時間労働マインドに支配されているうちは、簡単にできることではありません。一つ一つの仕事に対して「本質は何か」「より少なく、しかしより良く」の目線でメスを入れていかなくてはならないからです。
僕も5年かけて、ようやく理想の働き方になってきました。
仕事が多いことを組織のせいだけにせず、仕事の本質を見抜く目を育てていく。そうやって、長時間労働マインドから抜け出し、ワークライフバランスのとれた人生を歩んでいきたいものです。
では、時間外勤務時間が80時間を超えていた僕の現在はというと・・・
5月・・・30時間。
50時間ほどの削減に成功しました^^
ホワイト企業からするとまだまだ多いですが、自分としては今まで以上に成果を出せていて、自分にも心の余裕がある、今の状態が理想的です。
6月はもう少し減らせるといいなぁと思っています・・・。
それでは、どのようにして勤務時間を削減したのか。
それはまた別の記事でまとめていきます。
しばしお待ちください・・・。