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依存症治療には「安心」が必要

こんばんわ、黒カンです。

前回書いた記事で、goyaさんから、コメントいただいて、やりとりした中で気づいたことがありました。

依存症で患者側がパニックなときは、巻き込まれた側も患者と同様かそれ以上にパニックになっているということです。

依存症の側も、その家族も不安でおかしくなってくるんですね。

治療の入り口は、患者側も家族側も『安心感』を得る、もしくは、治療することで『安心できる未来』に近づけると思えることが必要なのだと思います。
(依存症になっている本人以外は「縁を切る」という方法で、安心感を得ることはできるといばできるのですがね。)

私が存症の入り口にたった当初、自分がおかしくなり始めている自覚もあり、母に相談しました。

母の第一声は「ソレ、いくらかでも取り返せないの?」でした。

どうやら、母は投資詐欺のようなものに引っかかったと思ったらしく、「警察に相談すれば」とか、母なりの取り返し策を提案していました。
パチンコ屋にすら行かない息子が、ギャンブルでお金を無くしたということが理解できなかったようです。

私の状況の意味が分からなかった母は、「違法」や「カジノ」や「逮捕」といった単語をテレビや新聞で見るたびに時間を問わず「アンタは大丈夫?」と聞いてきました。
相談したときに「ギャンブル関連の話題は避けてくれ」と頼んでいましたが、突然ふってくる母の会話の内容の中心は、「ギャンブルで不安でよくわからないけど違法な何かで」というものでした。

深夜に部屋にやってきて、自分を起こしたうえで「大丈夫?」と一言だけ言って、こちらが状況がわからないまま、母は部屋に帰ってきます。
翌朝、「昨日、私が部屋にいって声かけたら、起きてたけど何してたの?」と、時系列がぐちゃぐちゃになった質問を聞かせられます。

私が起きたのは、母に声をかけられたからなのですが、母はそのことが理解できません。
『寝たふりをしていたから起きたんだろう』と言う趣旨の質問が飛んできます。(母は起きるまで、声をかけ続けますし、ゆすってでも起こしてきました。)

結果、自分の症状は悪化の一途でした。

母に相談した結果、母すらもストレス源になってしまい、現実逃避したい気持ちが加速しました。
そして、母からの「不安」の気持ちを受け取りたくない気持ちから、『ギャンブルをやめる』ではなく、『ギャンブルをやったことを隠す』にシフトしました。

自分は、『相談できる相手を失った苦痛』に苛まれ、母は『息子の教育に失敗した』という事態に苦しむことになります。
※「教育に失敗した」は、自分の妄想ではなく、母から直接言われています。

母からしてみれば、自分を更生させるため、母自身の不安を和らげるために色々とやってくれたのでしょうが、こちらからすると、何もかもが苦痛でした。


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