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庶民のためにこそ株価を上げる政策を

個人的には開始当初から利用しているし、それなりに恩恵も受けているからいいのだが、NISAなんて無責任な制度だと思う。

「貯蓄から投資へ」というキャッチフレーズで個人に投資信託などを促進するため、2014年から開始された制度だが、大きな欺瞞がある。

貯蓄と言っても、今現在、紙のお札を家に溜め込んでいる人などそうそういないはずで、殆どは銀行預金や郵便貯金になっているはずだ。

つまり実際には個人のお金は金融機関が預かっていて、その金融機関の主な業務のひとつが企業への融資だ。融資も投資の一形態と考えられるから、本来なら貯蓄を投資に回すのは金融機関の役割のはず。個人が金融機関に預けておけば、それが金融機関によって投資や融資に回るはずなのである。

日本はバブル崩壊以降、長い間不景気が続き、金融機関が投融資を増やせる状況になかった。その状況を打開すべく、個人が投資しやすくする制度としてNISAが始まった。

つまり、金融機関が貸し出しできないような企業に個人が投資せよ、と言っているのに等しいのである。

まったく無責任な話である。

NISAが始まったころはアベノミクスの成果で株価も上昇基調だったから、私などでも恩恵があった。しかし、岸田政権になってからはじりじりと下降しており、今後はどうなるか分からない。

もっと長い期間で見ると、日本の株価は1989年の年末が最高値で、30年以上も更新されていない。異常事態である。

この間、アメリカ株価は10倍以上にもなっていることを考えると、これから先の投資先としてはアメリカ株を中心に考えざるを得ない。

NISAは少額から始める投資優遇制度だから、一般の庶民が対象のはずである。庶民に投資を促すのであれば、株価を上げる政策、つまり金融緩和や財政出動も同時に実施していただきたいものである。

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