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ずっと繋がれてきた「イエ」

こんにちは

建築業の知り合いに
「明治時代からずっと住んできた家があるから見に行かない?」
っていう嬉しいお誘いがありまして、

もちろん答えは、
「行く!」と食い気味に即答、です。

筬(おさ)格子戸
ウラは障子が入っていて、夏には外して風を通す

ということで
古くから使われてきた民家を見学させていただいたお話をしていこうと思います。

時間が空いたときにでものぞいてみてくださいね。

ではいきます。


■住み手の声に耳を傾けて

見学させていただいたお宅は明治時代初期の頃に建てられた日本的な民家。
時代が移り変わる中で、部分的に改修工事も加えながら今日至っています。
ですので、当時がそのまま残っている、というわけではありません。

でも、ボクにとっては興味深い。

当時が色濃く残っている

確かに文化財となった日本建築は素晴らしいです。
建てられた、当時のまま、があり、造りや時代背景を読み取るには貴重な教材だと思います。


一方、今回お伺いした家のように、今もなお、住まわれている現役の家、というのも大変勉強になります。

もう少し言うと、
今は令和時代です。つまりは明治から大正、昭和、平成時代を渡ってきて、今、です。

家の歴史は竣工した時がゴールではなくて、そこから次の、暮らす、というステージが始まります。
その時代を生きた人から次の時代の人へ継がれていく、というように、「家(イエ)」はずっと続いていくもの、とも言えそうです。

もしかしたら明確なゴールってないのかもしれません。

一枚板の板戸
擦り跡も家の歴史

今に至るまでにあったエピソード、というリアリティのある声
それは住み手が居ない文化財とは異なりずっと世代が変わりながら住まわれてきた、そうした痕跡が残っています。

現在住まわれている方のお話も聞きながら拝見できる、ってすごく貴重だと思いました。


■風が巡る空間

温故知新、という四字熟語があります。
古い教えや物事から新しい知識を学ぶ、的な意味だと思いますが、ボクはこの言葉が当てはまるのは日本の民家だなぁと考えています。

今回、見学させていただいた民家で、1番印象に残ったのは「風」
そう、驚くほど風が家中を通り抜けていくんです。

そこには積み重ねてきた住む知恵がありました。


風が循環しているから押入れも換気が効果的

伺った日は、関東各地で35度を越える猛暑日。

だけれども、家の中に居て汗をかいていなかったことに後になって気づきました。

クーラーは使ってないのに、です。

クーラーをかけてなければ体に危険が及ぼしてしまうほどの暑さ。
で、あるはずなのに家のどの方向からも風が巡っていて、すごく気持ちが良いんです。

正直、クーラーは苦手でして出来れば使いたくない人間です。(そうも言ってられない現代の夏)

人工的な風にはない、自然の風はどこか柔らかさを感じます
冷たくもなく、ぬるくもない、程よく湿気が混ざったような柔らかな風が巡る空間。

玄関
ここはどこよりも風が抜けて気持ちがいい

そして、冷たい風は下を通ります。
また、日本の習慣は座る生活です。
それらを組み合わせた空間が、日本の民家、ということになります。

暑い夏に東西南北に抜ける心地の良い風が
ちょうど腰を下ろした所に包んでくれます。

自然の特徴を上手く取り入れた日本の民家から学べることはまだまだ多そうです。

ということで
今回はこの辺りで失礼します。

ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

ではまた


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▼受け繋がれていく話はサグラダ・ファミリアにも似てる気がしました。

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ちょっといま商品計画が滞っていますが、のぞいてもらえたら嬉しいです。


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