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食べることと飲むことが好きな30代。既婚、子供はまだ無し。思いついたことを気ままにつづ…

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食べることと飲むことが好きな30代。既婚、子供はまだ無し。思いついたことを気ままにつづるエッセイと読書記録を書いています。

最近の記事

雑記日記:方言に戸惑うひとへ

4月になり、通勤電車がぎゅうぎゅうの満員になりました。新生活が始まったひとも多いのでしょう。名古屋駅でスマホと案内表示を見比べて立ち止まってるひとの多いこと。ほんとにこの駅は動線が何にも考えられてないんだなぁと気づくのに3ヶ月、行きたい場所への最短距離を把握するのに1年はかかると思います。頑張れ。 うっすら警戒していた夫の転勤もなく、私は今年も相変わらずの生活を続けていくことになりそうです。今の家が気に入ってるからあんまり引っ越したくないのよね。 4月というと思い出すのは

    • 読書記録:星野源『そして生活はつづく』

      星野源さんを初めて知ったのはいつだろうかと振り返ってみると、おそらくNHKの『LIFE!』というコント番組だと思うから、2013年頃でしょうか。逃げ恥のドラマが2016年なので、大ブレイク前から知っていたということにはなるのだけど、まぁだから何だという。改めて略歴などを読むと、それ以前から各所に引っ張りだこであったようですし。 私はファンを自称するほどのファンではないと思います。CDを買ったことも無いし、逃げ恥以外で俳優をしているところも見ていないし、ラジオも聞いていない。

      • 読書記録:カズオ・イシグロ『日の名残り』

        たまには重厚な文学を読みたいな、と手を取りました。カズオ・イシグロ 著、土屋政雄 訳『日の名残り』(ハヤカワepi文庫)。著者の作品を読むのは初めてで、ノーベル文学賞を受賞した際に紹介されていたプロフィールを流し読みした程度の知識しかありません。 舞台は1956年のイギリスです。老執事の独白によって語られる、ダーリントン卿の邸宅『ダーリントンホール』で働いた日々。文章自体は読みやすく、しかし読みながら考えることは多くて、ときに主人公の不器用さにイライラさせられるものの、読書

        • 読書記録:リチャード・ドーキンス『神のいない世界の歩き方』

          宗教について学ぼうという流れから、ちょっと寄り道をして無神論についての本を読みたいなぁと思い手に取りました。リチャード・ドーキンス 著、大田直子 訳『神のいない世界の歩き方 「科学的思考」入門』(早川書房)。 本書はニ部構成になっており、第1部では主に旧約聖書と新約聖書について、神やキリストの教えは信仰するに値しないのではないか?ということを過激に論じていきます。第2部では進化論を丁寧に説明しつつ、宗教的ではなく科学的に思考することの大切さを説いています。 キリスト教の家

        雑記日記:方言に戸惑うひとへ

          読書記録:諸田玲子『其の一日』

          短編小説を何か、と思って手に取りました。諸田玲子『其の一日』(講談社文庫)。 江戸時代の史実からある一日を切り取って想像を膨らませ、主人公の心情を綿密に読み取るような一編一編になっていました。お受験的な日本史しか学んでいない私には知らないことばかりで、読んだあとに主人公とその周辺について調べては思い巡らすのも楽しかったです。 私は歴史上の人物について、勝手な印象を抱いていることが多いように感じます。暗殺されたということは悪いこともしていたのだろう、とか。井伊直弼についての

          読書記録:諸田玲子『其の一日』

          読書記録:フランツ・フェルディナンド『オーストリア皇太子の日本日記』

          皆様、新年いかがお過ごしでしょうか。1年の始まりに痛ましいニュースが続き、私は何となく前向きになれないままに日々が始まってしまったように感じています。今年はもうこれ以上、災害が起きませんようにと祈るばかりです。 さて、去年のうちに読み終わっていたのに感想を書くのを後回しにしていました。以前に読んだイザベラ・バードの日本の旅行記と似たようなものを読みたい、と今回はこの本を手に取りました。フランツ・フェルディナンド 著 安藤勉 訳『オーストリア皇太子の日本日記 明治二十六年の夏

          読書記録:フランツ・フェルディナンド『オーストリア皇太子の日本日記』

          読書記録:マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』

          この1年、争いは絶えず、終わる兆しも見いだせないまま新たな年を迎えようとしています。今年読んだ本のラインナップを見返してみると、そういう問題に対して消極的になっているかもしれないと気づき、ずっと読んでみたかったこの本に挑戦することにしました。 マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)。 正義をキーワードにして哲学を学んでいくという発想が面白く、実際の社会問題に照らしながら解説してくれるので読みやすさ

          読書記録:マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』

          雑記日記:夢をみて、魔法にかけられ元気になる2日間

          11月23日の祝日に東京ディズニーシーへ、24日に東京ディズニーランドへ夫とふたりで行ってきました。訪れるのは約2年ぶり、もろもろの制限が無くなって満員御礼状態のディズニーリゾートは5年ぶりです。 いやはや、覚悟はしていたのですが、どのアトラクションも1時間前後は並ばなければならない、人気アトラクションは3時間待ちという状況。有料のプライオリティ・パスは開園早々に売り切れてしまって買えなかったので、シーではソアリンに170分、ランドでは美女と野獣に160分並びましたよ。

          雑記日記:夢をみて、魔法にかけられ元気になる2日間

          読書記録:宮部みゆき『あやし』

          秋の夜長にもホラー小説を、しかもお江戸のお話をいかがでしょう。宮部みゆき『あやし』(角川ホラー文庫)。短編集で、1話ずつじっとりとしていて読みごたえがありました。それぞれ「誰に語らせるか」というのもよく練られており、著者の読ませる力に感服しながらイッキ読みです。 ホラーというよりは怪談といったほうが良いでしょうか。舞台は江戸の商店、店主やそこに仕える奉公人たち。蠢くのは人ならざるものなのか、それとも誰しもが持つ闇が顕現しただけなのか。 9編あるなかで私のお気に入りは『安達

          読書記録:宮部みゆき『あやし』

          スポーツ所感:想像の先か、想像の外か

          プロ野球もメジャーリーグも残すはチャンピオンを決める戦いとなり、スポーツは冬のシーズンに入ろうとしている今日この頃。5月に書いて以来、スポーツについて語っていなかったのでツラツラと思ったことを綴りたいと思います。 昨日、テレビ朝日のタモリステーションという番組で大谷翔平選手の特集を見ました。この2ヶ月余り、彼の活躍による胸の高鳴りがなかったもので、久しぶりにホームランの爽快感と芸術性に酔いしれました。 興味深かったのは、彼が理想とするのはバントでホームランを打つことだ、と

          スポーツ所感:想像の先か、想像の外か

          読書記録:須賀敦子『遠い朝の本たち』

          幼い頃から本を読むことが好きだった。小学生のとき、居候に近いかたちで住んでいた家の四畳半の一角に二段ベッドが置かれていて、寝相の悪い私は下の段、高いところが平気な弟が上の段を使っていた。ベッドの枕元には必ず数冊の本を置いていて、休日の朝は目が覚めても起き出さずに読み耽った。 部屋は北側で、昼間もあまり日が入らず、おまけに二段ベッドの下の段だから文字を読むには暗かった。そんなところで読書をしては目が悪くなると大人たちに叱られてもやめないので、デスクライトの根本がクリップになっ

          読書記録:須賀敦子『遠い朝の本たち』

          読書記録:ブライアン・フェイガン『海を渡った人類の遥かな歴史』

          海なし県で生まれ育ったからか、私にとって海とは観光地であり、日常からは切り離された存在だ。そのせいだとは思うのだけれど、古代に人類がどのように広がっていったのかと考えを巡らせるときに、海をどのように渡ったのかという重要な事項が思考から抜け落ちてしまいがちである。 知識としても弱いところなので、今回はその視点をじっくり学ぼう。ブライアン・フェイガン『海を渡った人類の遥かな歴史 古代海洋民の航海』(河出文庫)は、人類学者・考古学者である著者の豊富な航海の経験を交えつつ、古代の人

          読書記録:ブライアン・フェイガン『海を渡った人類の遥かな歴史』

          雑記日記:光の世界、その輪郭は

          帰りの新幹線に乗り込み、コロッケパンをもぐもぐし終わってひと息ついたところです。今日はひとり旅。野暮用で東京に行くついでに美術館めぐりをしてきました。 まずは午前中のうちに上野の国立西洋美術館へ。小学生のときに遠足で来て以来、何度も足を運んでいますが、昨年リニューアルオープンしてからは初めてです。しかも今日は常設展が無料の日。といってももともと大人500円という格安なので、むしろ払わせてほしいくらいなのですが。。。 私が最も好きな絵がルノワールの『木かげ』です。リニューア

          雑記日記:光の世界、その輪郭は

          読書記録:小川糸『たそがれビール』

          今回読んでいたエッセイは小川糸『たそがれビール』(幻冬舎文庫)です。小川糸さんの小説は何冊か読んでいるけれど、エッセイは初めて手に取りました。この本は「日記エッセイシリーズ」とされている通り2012年の出来事が日記風に書かれていて、著者の日常を覗き見しているようで楽しく読みました。 特に毎年恒例らしいベルリンでの長期滞在中の過ごし方はただただ羨ましく、憧れました。あらゆる芸術鑑賞、街角での食事。著者にとっては大切なインプットの時間なのでしょうが、とても優雅で夢のような暮らし

          読書記録:小川糸『たそがれビール』

          読書記録:増谷文雄『新しい仏教のこころ わたしの仏教概論』

          親鸞の伝記を読んで以来、仏教へのモヤモヤした疑問は増えるばかりで、何か知識を増やさねばならぬと概論を手に取った。 増谷文雄 著『新しい仏教のこころ わたしの仏教概論』(講談社現代新書)。浄土宗のお寺の家に生まれたものの、僧侶にはならず仏教学者となった著者。自身が仏教をどのように理解していったか、という道すじをもとに概論が組み立ててあり、とても読みやすかった。 私のなかのモヤモヤは上手く言語化できずにいたのだが、著者のおかげで輪郭をとらえることができた。モヤモヤは主に2点。

          読書記録:増谷文雄『新しい仏教のこころ わたしの仏教概論』

          雑記日記:挽かれる豆、君に朝が降る

          誕生日プレゼントにコーヒーミルを買ってもらった。ステンレスの円筒型の本体にセラミックの刃。丸洗いできる、汚れが気にならずに使えるものにしてもらった。 朝、これまでより5分早く起きる。頭が半分寝ている状態で、電気ケトルでお湯をわかす。豆を時々こぼしながらミルに入れて、ハンドルをできるだけゆっくり丁寧に回す。本体をよく押さえていなければいけないので、回す手よりも押さえる手が疲れる。右手と左手を入れ替えつつ回す。鼻孔に香りを感じて、しだいに頭が冴えてくる。急にハンドルが軽くなって

          雑記日記:挽かれる豆、君に朝が降る