おもしろ同人誌バザール@大崎に出展しました
8月14日(日)に、記念すべき100回目のコミケ(C100)と同時開催された情報系同人誌即売会、おもしろ同人誌バザール in 大崎に参加してきました。
会場となった大崎コミックシェルターは、大崎駅南改札を出てすぐの、電光掲示板等がある屋外の広場です。台風一過…となるはずが、午前中はやや雲行きが怪しかったため、1時間後ろ倒しでの開催となりました。
コミケ参加者向けの、熱中症対策のアナウンスをSNSで見た方も多いのではないでしょうか。大崎に到着したときにはまだ時折風の吹く曇り空で、それほど暑くないかとも思われたのですが、晴れ男のおもバザ主催さんのおかげでどんどん天気は良くなり、結局一度も雨は降らずにキラキラした青空の下での即売会となりました。
おもバザでは、抽選で番号が割り当てられ、番号が若いサークルから好きなスペースを選ぶことができます。確実に日陰になる後ろの机にすべきか、人は通るけれど太陽と雨から一切身を守れない通路側か、葛藤しながら並んでいました。暑さに弱い瀬戸川さん(※鹿児島出身)には、無理そうなら日陰にしようと言いつつも、結局通路側のスペースを選ぶことに。
同じ机のお隣は、猫科のアニマルたちの写真集を頒布しておられた房総旅団さんでした。手際の良い設営と撤収に見とれつつ、中の人もちゃっかり百面相の写真集をゲット。サーバルちゃんのあくび顔がかわいすぎました。一緒に買わせていただいたケニアの撮影旅行記「ほんものサバンナガイドブック」がとても面白く、帰ってから興味深く読ませていただきました。
路面スペースの効果もあり、本当にたくさんの方にパンフレットを持ち帰っていただくことができました。おそらく、コミケ帰りの方やおもバザ自体の来場者だけでなく、通りすがりの地元の方にもお配りできたのではないかと思います。服薬中の当事者の方、ご家族が発達障害と診断された方、支援職の方、研究職の方…。77部という配布数は、前回出展した精神神経学会での1日当たりの配布部数とほぼ同じで、発達障害というテーマに対する関心の高さを感じることができました。日曜日なので品川区役所に置いてくることはできなかったけれど、少しでも情報が必要な方に届きますようにと祈るばかりです。
コミケと連動して行われるおもバザは、大崎の駅前、街頭で配布できるというのが魅力で、活動開始時から出展したいと思っていたイベントの1つでした。私たちのパンフレットは、情報収集に熱心な当事者だけではなく、薬について知ることが必要だと思っていない方、必要だと思っていてもわざわざ情報収集をする余力がない方のために作られたものでもあります。でも、薬について積極的に知りたいと思っていない方々には、医師や研究者が集まる場ではなかなか出会えません。路上での偶然の出会いが、薬のことや、コミュニケーションについて少しでも考えていただくきっかけになれば良いなと思っています。
私たちは、同人サークルのようなものではありますが、印刷費に関しては齋藤茂昭記念財団(2022年度)、一般用医薬品セルフメディケーション振興財団(2021年度)から社会事業として助成金をいただいています。無料で大丈夫なの?と心配してくださった方もいらっしゃいましたが、今のところは大丈夫です。(※著者・監修者のギャラはなく、内容についても財団等からのディレクションは一切受けていません)
知名度を上げる、というのは私たちの活動の大きな目標の1つです。というのも、発達障害の成人当事者、特に自分自身で通院や服薬の意思決定をする当事者の存在というのは、年々数が増えているにも関わらず、どうも国や自治体にあまり認知されていないようなのです。自立生活を送る成人当事者がステークホルダーとしてまったく土俵に上げてもらえていない現状を変えたいです。今、自治体の発行する無料パンフレットのほとんどは、保護者や支援者に向けて書かれたものです。本プロジェクトが有名になることで、行政や薬に関わる人たちに、当事者の人たちも自分で意思決定をするための情報源がいるんじゃない?って思ってもらえたらいいなと思います。国や自治体、製薬会社などなど、お金のある人たちが当事者向けの情報インフラの重要性を理解し、診断がついたばかりの当事者が読んでも悲しくならない表現、自己肯定感が下がらないような表現で情報発信をしてくれるようになったら良いですよね。
情報を必要とする人の中には、いろんな状況の人がいて、1つのパンフレットで全てに対応することはできません。できるだけ少なく簡潔に伝えて欲しい人、長くてもいいから細かく説明してほしい人、引用文献やおすすめの参考書まで教えて欲しい人、文章がいい人、絵がいい人、音声や動画のほうが理解しやすい人。
保護者向けの解説パンフレットと同じように、いろいろな種類の「当事者向け薬はじめてガイド」が作られて、成人当事者が多くの選択肢の中から、自分に合った情報源を選べる社会に変わってほしいなと思います。
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