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グローバルなものの見方

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多様性や地政学、働き方について書いています。外交官の仕事、グローバルな視点、日本とは、について興味がある人、キャリアや生き方について考えている人はご笑覧ください。
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#地政学

「戦後」と現代の戦争やテロの傷跡【元外交官のグローバルキャリア】

「戦後」と現代の戦争やテロの傷跡【元外交官のグローバルキャリア】

日本は長らく「戦後」だが、世界ではそこらじゅうで戦争や戦闘が起きている。通常戦争から非通常戦闘まで。

11月に大統領選挙を迎える米国では長い戦争(Long War)と呼ばれているアフガニスタンとの戦争も「終結」した。その前のイラクとの戦争に駆り出された今は40代や50代の退役軍人のことなど忘れ去られているかもしれない。

日本が「戦後」と呼んでいるこの時代に、同盟国の米軍は犠牲を払って国際社会の

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チョコレートと地政学リスク【元外交官のグローバルキャリア】

チョコレートと地政学リスク【元外交官のグローバルキャリア】

チョコレート作りのワークショップに、その地政学的な意味も無視して声をかけられるがまま友人を集めてしまった。安全保障や地政学リスクを専門とし、OECDの多国籍企業の責任ある行動指針を通じて国連のビジネスと人権の国別計画策定に携わったと言うのに。コミュニティ作りに気を取られて、デューディリジェンスがさっぱり抜け落ちていた。

カカオの薫りに酔いしれて、チョコレートの余韻も冷めた頃に、はた、と原産国の立

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パレスチナとかテロとか真実とか【元外交官のグローバルキャリア】

パレスチナとかテロとか真実とか【元外交官のグローバルキャリア】

イスラエル西岸地区やガザで、1980年代後半に「インティファーダ」と呼ばれるパレスチナ住民のイスラエルの占領統治への一斉蜂起運動があった。

それが高校生の私が国際政治に興味を持ったきっかけだった。「イスラエルは1967年戦争以前の国境線を戻すべきだ」というテーマで海外で通うインターナショナルスクールでディベートに挑むことになった。「真実」というものが存在すると信じていた頃、世の中をを白と黒でしか

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