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消雲堂綺談

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私は怪談奇談が好きで、身近な怪異を稚拙な文章にまとめております。
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2024年2月の記事一覧

ピクニックatハンギング・ロック

ピクニックatハンギング・ロック

大好きな映画に1975年に公開された(日本では1986年です)「ピクニックatハンギング・ロック」(ピーター・ウィアー監督)というのがあります。美しい女子学生たちが巨石が集まった“古墳”のような不思議な場所で行方不明になるというお話です。ちなみに原作は「ピクニック(アット)ハンギングロック」なのに映画やテレビドラマ(ドラマ版もあるんですよ)は「ピクニック(at)ハンギングロック」のatアットなのか

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妄想邪馬台国「出雲に神の国あり7」

妄想邪馬台国「出雲に神の国あり7」

「武烈天皇ってのは応神天皇のふたつの血筋のうち、応神の子である仁徳天皇からの最後の血筋だね」
「ふたつの血筋?」
「ひとつは応神ー仁徳ー履中ー反正ー允恭ー安康ー雄略ー清寧に続き、もうひとつは履中から飯豊青皇女(飯豊天皇)ー顕宗ー仁賢ー武烈という血統になるね」
「良く覚えているね」
「エッヘン」治子が胸を張った。その胸を異能が凝視している。スケベェな奴だ。
「武烈の姉が手白香皇女なのよ。この女性は、

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超短話「ジグソーパズル」

超短話「ジグソーパズル」

ある日、K子は、見知らぬ男からキレイな箱をプレゼントされた。通常ならば断るのだが、男があまりにもかっこ良すぎた。最新の韓国ドラマの主人公役を演じる何とかボゴムみたいな美男子だったから。それに断る暇もなく何とかボゴム似の男は消え失せていた。

家に帰ってから箱を開けてみるとジグソーパズルだった。
「ジグソーパズルなんて古くさい。でも完成すると、どんな絵が現れるのかしら?」
K子は、興味本位でパズルを

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明日のカルチャー課題

明日のカルチャー課題

明日は自分が生まれ育った家の図を描いてみることと、その家での記憶を箇条書きで書き出してもらうということをします。

僕は福島県のいわき市で生まれましたが、そのいわき市での記憶は全くありません。それから4歳くらいから6歳くらいまでを同じ福島県の県庁所在地福島市で暮らしました。

当時住んでいたのは2階建てのアパートで、僕たちは1階の端っこに住んでいました。アパートの裏には「弁天山」という山があって、

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改定軍艦「轟沈」対 メガトンロボ(没)

改定軍艦「轟沈」対 メガトンロボ(没)

昭和22年夏、太平洋上にムー帝国が浮上し、ムー帝国人たちが世界攻撃を開始した。彼らは第二次世界大戦で無念の死を遂げた旧日本帝国軍人たちの遺骨から肉体を蘇生させてムー帝国人戦闘兵とした。

母国を占領され、安穏として米国の奴隷となっている状況をムー帝国人から聞かされ、「俺たちの戦いは何だったのか?こんな日本にするために命を捨てたんじゃない」と激怒して新日本国民への復讐を誓った。

ムー帝国は、改定軍

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幻影の城 Castle Of Illusion

幻影の城 Castle Of Illusion

*見出し画像は「稲生美代子のイメージ」(本文参照)です。
*内容は西村京太郎さんの「殺しの双曲線」(名作)に似ています。ぜひ、京太郎さんの殺しの双曲線をお読みください。

雪深い山間部にある村のペンションに東京近郊から10人の老若男女が招待された。

村は100世帯で構成されていて、割と大きな村落である。10人が招待されたペンション伊豫は、村から離れた箒山(ほうきやま)の麓に建っている。ペンション

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メガトンロボ生成の過程

メガトンロボ生成の過程

またメガトンロボを生成しようと思ったら、前回と同じようなメガトンロボを生成してくれません。それでは頭部にふたりの操縦者を座らせようと思ったら、それも統一できません。ったく、AIは難しいっす。

クラウド・バスター

クラウド・バスター

消雲堂という屋号は、ヴィルヘルム・ライヒというマッドサイエンティストが作った「クラウド・バスター」という機械?からとったものです。その機械で暗雲を消すということから“暗雲を祓う”という意味で消雲堂としたのです。初めは「クラウド・バスター消雲堂」でしたが、長すぎるので消雲堂としました。屋号も登録しました。

その機械はオルゴン・エネルギーという人間の性的エネルギーを使うものでしたが、その話を聞いただ

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夢の風景「九龍地獄横丁」完

夢の風景「九龍地獄横丁」完

「お孫さんを連れて来ましたよ」
地獄横丁の喫茶店「ヘル」に戻ると厚化粧の婆さんに言った。
「ん?婆さん、化粧してないじゃん」

婆さん、化粧を落としたのか?まるで別人じゃないか?
「普段は化粧なんかしてないよ」
「婆ちゃん、ごめん」孫が泣いている。
「ありがとう。助かったよ。まったくお前は何をしていたんだい?」
孫の頭を叩きながら言った。
「同級生が模型屋の双子姉妹でさ・・・どっちかはわからないけ

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夢の風景「九龍地獄横丁」7

夢の風景「九龍地獄横丁」7

婆さん書店の「リーディングガールズ」に気づかれないように、書店の奥から隣町の土津への抜け道を歩く。

目の前が開けた。土津の街だ。模型店を目指す。

土津の街は地獄横丁と違って明るい。しかし、これも所詮表面上だけで、本質は地獄横丁と変わらない。人に聞きながら模型店を目指す。店名は地域名をそのままとって「土津」らしい。
女の子のフィギュアがシンボルということだった。しばらく街を歩くとすぐにわかった。

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