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消雲堂自分史 阿武隈川

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駄目な人間の私が、どうやって生きてきたのかを再確認するマガジンです。自分のためのものですが、興味のある方はどうぞご覧下さい。
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#選挙

選挙野郎!!衆議院議員選挙 陸

選挙野郎!!衆議院議員選挙 陸

「清弘さん、今日は“北風の会”に行きまっせ」

「え? 北風の会って…」

北風の会とは約200万人の信者を抱える宗教団体だ。

「ん? 宗教団体ですわ」

「なんで宗教団体なんかに行くんですか?」

「清弘さんは何も知らんのですね。日本強欲党だって総進党だって総進の母体である総身捨去会あってのものですよ。信者さんが票を入れはるんですわ。あいつら強欲と総進にほどよく票を入れさすんですよ。選挙区によ

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選挙野郎!!第1話 「参議院議員選挙の肆」

選挙野郎!!第1話 「参議院議員選挙の肆」



「ほい、コーヒーです。田辺さん、砂糖とミルクいらないんでしたよね」村野が両手にコーヒーが入ったカップを持ってきた。

「あ、はい、覚えていてくれたんですね」

「当然でんがな」村野が僕の肩をポンと叩いてニッカリと笑った。

「田辺さんってネットが得意なの」稲田がズズゥっとコーヒーをひと啜りながら、また睨んだ。怖い。ん、ネットが得意?何だか変な質問だなと思いながら、「いや、僕はネットもパソコン

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選挙野郎!!第1話 「参議院議員選挙の参」

選挙野郎!!第1話 「参議院議員選挙の参」



鉄製だろうと思われる事務所のドアが僕の額を直撃すると、ギャグ漫画の登場人物のように目から火花が出るほどの衝撃に襲われた。危うく倒れそうになるのを僕はなんとか踏みとどまって耐えた。

「痛ててぇ…」額を押さえて呻いていると、村野の妙に明るい声が聞こえた。

「ああああ、すんまへん、田辺さん、大丈夫でっか?」どうやら彼が勢いよくドアを開けた犯人らしい。

「そのドアは危ないね、ドアの前に注意を促

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選挙野郎!!第1話 「参議院議員選挙の弐」

選挙野郎!!第1話 「参議院議員選挙の弐」



船橋の海老川は、かつて日本武尊が東征の際に、地元の漁師たちがこの川に船を並べて橋を作り日本武尊の一行を渡したという謂れがある。船で橋を作ったことから船橋の地名の由来ともなっているらしい。海老川沿いにはソメイヨシノと八重桜など500本の桜の樹が植えられ、毎年桜の季節には多くの花見客が訪れる。海老川を船橋駅から船橋大神宮に向かってしばらく歩くと宮本という地区があり、この一角には太宰治がパビナール

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「窮すれば濫す」

「窮すれば濫す」

僕はライターと自称しているだけで、実は文章を書く仕事なんかひとつもありません。アルバイトでいくつかの企業さんの宣伝営業補助と監査法人さんのお手伝いの仕事をしているだけです。正しくは繰り上げ年金暮らしのフリーター爺さんです。

このnoteというのは、多才なプロの方たちの文化SNSのようですが、僕なんかが、とっちらかった未整理の文章書いたりしていると、凄く違和感がありますね。

若い頃に漫画専門誌や

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選挙野郎 1

選挙野郎 1

*僕は2012年から2013年にかけて某党国会議員の手伝いをしていました。政治家なんて嫌いなんですが、当時から貧乏していて、仕方なく手伝っていました。彼らの手伝いをすることで、彼らと周辺の人間の非人間性を理解できました。

 電車が北斗線印旛駅に着くと、夜が明けたばかりの仄暗い冬の空が広がっていて、上空に薄っすらと漂う筋雲が氷点下の冷気を吐き出しているようだった。駅頭での早朝演説時間まで20分ほど

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