マガジンのカバー画像

消雲堂自分史 阿武隈川

288
駄目な人間の私が、どうやって生きてきたのかを再確認するマガジンです。自分のためのものですが、興味のある方はどうぞご覧下さい。
運営しているクリエイター

2022年6月の記事一覧

湯島の夜 NHK少年ドラマシリーズ「蜃気楼博士」

湯島の夜 NHK少年ドラマシリーズ「蜃気楼博士」

*文中登場人物敬称略。

僕は1972年から1983年までNHKで放送されていた「少年ドラマシリーズ」が好きで、よく観ていました。中でも好きだったのが三浦半島を舞台にした「つぶやき岩の秘密」(11973年放送)で、だいぶ前にDVDも購入して保管しているのですが、押し入れの奥に入ってしまって出てきません。

原作(1972年出版)は新田次郎さんで、戦時中に隠された日本軍の金塊をめぐる殺人事件に主人公

もっとみる
東京万景「葛飾区柴又」壱

東京万景「葛飾区柴又」壱

かみさんの奢りでうなぎを食べに柴又まで出かけた。はじめは四つ木とか浅草橋のうなぎ屋の新規開拓をするか、出版社時代にお世話になった神田のきくかわに行くか迷った挙げ句、比較的交通費のかからない自宅近くの柴又帝釈天参道にある馴染みの(といっても先方は僕のことなど知らない。もう何度も行っているけれど、内向的な僕は女将さんとも女中さんとも親しく話したこともない。じゃあ馴染みじゃないじゃんw)川千家(かわちや

もっとみる
「スピッツ」

「スピッツ」

そのスピッツに名前をつけていたかどうかは忘れてしまったが、僕はいつも彼と一緒にいた。

近くに住む子どもと遊んだ記憶がないので、彼は孤独な僕の良い遊び友達だったのだろう。 それにしても、昔のアパートで、よく犬が飼えたものだと思う。 もちろん、アパートの室内で犬を飼うことはできなかったので彼は外につながれていた。

当時の自宅は2階建ての1階で、 その庭のような敷地内に小さな小屋を据えて飼っていたの

もっとみる
「叔父のこと」

「叔父のこと」

僕は3~4歳の頃から小学校に入学するまで福島県の県庁所在地である福島市に住んでいた。その頃の話だ。

福島市郊外にあった自宅アパートの近くには母の弟(叔父)が住んでいた。 この人は中学を出てから故郷の岩手を出たのだが、その後、どういう理由で福島市に住んでいたのかはわからない。 生前の母親に確認したら、「結婚して近くに住んでいた」ということがわかったが、僕が記憶しているのは叔父だけで、結婚していたと

もっとみる
選ばれること

選ばれること

僕が幼稚園に通っていた頃、その当時の夢は「パン屋になること」だった。
今思えば何でそんなことを考えたのかわからないが、子どもだから腹一杯パンを食ってみたいなんてバカなことから発想したのだと思う。

小学校に入ると特撮ドラマや映画に夢中になり、円谷プロに入りたいと思うようになった。さらには漫画に夢中になり、小学生のくせに難解な大人向けの漫画を描いてみたいと思うようになった。

中学に入ると一般映画に

もっとみる
湯島の夜「昔は良かった?同世代有名人への嫉妬心」

湯島の夜「昔は良かった?同世代有名人への嫉妬心」

デビュー当時は「一発屋」なんて揶揄されていた桑田佳祐さん。すべて同じような曲ばかりだけれど、その「売れる洗脳メロディ」が、今や日本を代表するような方に到達してしまった。大したものです。同世代の人間としてはただただ嫉妬するだけ。要領の悪い人間が好きな僕には、商売上手な彼の活動が節操なく見えるので、たとえ、いくら反戦を唱えたとしても、万が一の際には、国家に依頼されて、国威高揚、戦争奨励に走る人なんだと

もっとみる