現役の高校公民科教師が共通テストを解いてみた。
先週の1月13日、14日の2日間で大学入試共通テストがありました。
共通テストは人生の分岐点と言っても過言ではないくらい重要な試験です。
真剣な表情で受験会場に向かっているのをニュースで見て心から応援したくなりました。
がっつりした解説や分析は予備校が出すと思いますので、
ここでは専門である「倫理・政経」を解いてみての率直な感想や、今の2年生が身につけておいた方がいいこと等を書いてみたいと思います。
■感想「倫理の方が簡単。政経の方が頭を使う…。」
倫理はわりと知識だけ持っていれば解ける問題が多かったです。
政治・経済の方は知識を活用した思考問題が多く、結構時間を使いました…。
政治・経済で全国に100点満点が出なかったも頷けます。。。
試しに問題をざっと見て知識問題と思考問題に分けました。
知識問題は問題文と選択肢の文章の吟味→正誤判断、で解ける問題で、
思考問題は資料読解→選択肢の吟味→正誤判断、で解ける問題です。
あくまで私個人の見解ですので参考になれば幸いです。
■特徴的な問題
倫理は以下のような、資料を読まなくてもある程度答えが導き出せるものが多かったです。
もちろん倫理も資料を読みこまないと分からない問題はありましたが、
それでも6問だけなので時間には余裕を持って正答に導けそうでした。
それに対して政治経済は資料を読み込んで考えないと分からない問題が9問ありました。
例えば以下のような問題です。
他にも需要と供給の関係の問題では以下のような問題も出ていました。
ちょっと考え込んで頭を整理しないと分からなくなる問題です。
特に経済は数学的な要素もあるので思考させやすく、その分難しくなるのかな、、と思いました。
今回は比較生産費説やGDPといった、経済で出てくる数学的な問題の王道が多く出たので、苦手な人は嫌な問題だったと思います(-_-;)
政治経済が難しかった影響で、中間発表での平均点は以下のようになりました。
■今の高校2年生に向けてのアドバイス
高校2年生はまた試験科目が変わりますので、そこは注意してください。
「公共、政治・経済」もしくは「公共、倫理」のどちらかになります。
公共でどれくらい倫理分野が出るか分かりませんが、現代社会ではたった2問しかありませんでした。
となると勉強する範囲は「公共、政治・経済」の方が被っているので有利でしょう。
ただ、今回の平均点を見ても政治・経済は難しく作られています。
例年、倫理よりも政治・経済の方が平均点は低いです。
そのことを頭に置いて勉強した方がいいのかなと思いました。
特に「経済」分野をマスター出来るかどうかで大きく変わります。
需要と供給。
金融。
GDPや経済成長率。
国際経済。
このあたりの理解ができるかどうかで差がついている印象があります。
ぜひ授業や演習ではこの分野を重点的にやることをおすすめします。
また、これはどの教科にも言えることですが、文字を読むことを苦にしない人でないとそもそもきついです(涙)。
日頃から新聞を読んだり、読書したりする癖をつけておくことをおすすめします。
が、、、今はSNSやショート動画全盛の時代。
誘惑が多いかと思いますが、それ以上に読む面白さを感じることが大事です、、、!
■最後に、、、3年生へ。
予備校で働いているわけではないので拙い分析だったかと思いますが、参考になれば嬉しいです。
これから大学入試に向かう3年生には諦めず最後まで頑張ってほしい思いです。
最後まで努力を積み重ねた者だけに受験の神様は微笑みます。
応援してます!
教育のこと、授業をしている倫理や政治経済のこと、熊本の良いところ…。 記事の幅が多岐に渡りますが、それはシンプルに「多くの人の人生を豊かにしたい!」という想いから!。参考となる記事になるようコツコツ書いていきます(^^)/