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原田マハのおすすめ作品5選。絵画小説の名手が描く、短編から長編までを一挙紹介!映画化された作品も

今回は『楽園のカンヴァス』や『たゆたえども沈まず』で知られる、原田マハさんの作品から、おすすめの5作品をピックアップしました。

初読の方向けの短編から、読み応えのある長編まで。気になる作品があればぜひ、チェックしてみてください。

『独立記念日』それぞれの独立を描いた短編集

マハさんは短編作品も数多く発表されており、初読の方は、まず短編から入ってみるのが良いのでは。

『独立記念日』は、さまざまな年齢の女性たちの「独立」を描いた24の短編を収録。自分の置かれた環境に悩みながらも、前に進もうともがく女性たちの姿に、頑張る力をもらえます。

『ジヴェルニーの食卓』画家に焦点を当てた短編集

モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。有名な画家の姿を、身近にいた女性たちの視点から描いた短編集です。

マハさんの絵画小説は、絵画に焦点を当てた作品が多い中、こちらは作品を描く画家に焦点を当てた作品になっています。映画を見ているような気持になる小説で、絵画に興味を持つきっかけになるのでは、と思います。

『暗幕のゲルニカ』2017年本屋大賞6位

以前ご紹介した、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』が本屋大賞を受賞した年、6位に輝いた本作。パブロ・ピカソの『ゲルニカ』を題材にした絵画小説です。

『ゲルニカ』は、スペインのゲルニカが、ドイツ空軍による無差別爆撃を受けた際の様子を描いたもので、20世紀を象徴する絵画と呼ばれています。現在は、反戦のシンボルとされるこの作品。

『暗幕のゲルニカ』は、国連本部のロビーに飾られたこの作品が、何者かによって暗幕をかけられていた――いったい、誰が何のために?という謎に迫る物語です。

絵画キュレーターとしても活動されているマハさんの得意どころということもあり、読み応えバツグン。少しむかしの作品になりますが、『ダ・ヴィンチ・コード』のようなドキドキ感が味わえます。

『キネマの神様』2021年に映画公開

山田洋二監督により、映画化された本作。映画化発表時は、主要人物を志村けんさんが演じられる予定でしたが、沢田研二さんに変更となりました。

物語は、ギャンブルに明け暮れる父親と、会社を辞め、無職になった娘を巡る家族モノ。もともと映画が大好きだった父が、ひょんなことから映画雑誌のウェブコラムを担当することになり――というお話。

多くは語りませんが、名画『ニュー・シネマ・パラダイス』が好きな方は必読の作品。

ギャンブルの多重責務に、無職の娘。一時は一家共倒れの危機に瀕しますが、登場人物たちの映画への情熱で、物語はどんどん進んでいき、ラストは感動。読後はしばらく余韻が抜けず、じんわりとぬくもりを感じられる作品です。

『サロメ』長編ミステリー小説

こちらは、19世紀に実在の劇作家、オスカー・ワイルドの戯曲をめぐる、長編ミステリー作品。表紙のおどろおどろしい絵は、その戯曲の挿絵として実際に使われたものです。

この作品の主である、夭折の画家オーブリー・ビアズリーと、オスカー・ワイルドが出会い、2人を取り巻く人間の運命が劇的に変化していく様子には、イッキ読みしてしまう迫力が。

単独で紹介記事も書いているので、興味のある方はこちらもぜひチェックしてみてください。


以上、原田マハさんの作品から、5作品をご紹介しました。

2021年は、各地で例年より梅雨入りが早いようで。雨の日は、自宅でゆっくり読書をするのに最適。ぜひ、興味の出た作品があれば、お手に取ってみてください。

■ほかの原田マハさんの作品紹介記事はこちら

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