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【いつどこnote】創作上のイメージと現実とのギャップ

こちら の続編扱いですが、単独作品です。
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「無事にバトンを渡した。あの作品のエピソード懐かしかった」とこの人は、少し前にバトンリレーの企画遂行のため、エピソードを記憶の中から呼び起こし作品として仕立て上げた。そして次のリレー担当に無事に手渡す。

 ところが手渡したはずの担当者から「これどうですか?」と、この人にあてに再度バトンが来た。「え?戻ってきたのか」と、この人は一瞬慌てたが、よく見ると別のバトンである。当然内容も違う。だからこの人はためらいなく受け取ることにした。

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 バトンの内容はこうである。「おめえさん、ところでnoteを執筆している場所を教えてもらぇねえか? 後いつ頃書いているかだ。何でそんなことを知りたいかって! ふっ、それはここでは言えねえな。まあ、いずれ知らせるとこともあるだろう。あと証拠写真は撮る必要もねえぞ。だからよろしく頼むぜ」と言うニュアンスであった。
 そこでこの人は、さっそくミッションをクリアすべく筆を進める。そのときに過去の思い出がが思い浮んだ。

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 実は「どこで執筆するのか?」という点について、この人にはとある憧れが以前から持っている。それは旅先の宿泊施設。ホテルや旅館などであった。

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 近代の文豪と称される多くの人は、画像のようにどこかの温泉旅館に滞留し、そこで執筆をしていたという。頭の中でストーリーなりプロットなりを思い浮かべながら、湯につかり部屋で食事する。そしてやがて頭にインプットされた内容を、原稿用紙に無心に書き記した。それが名作として現在でも数多くが残ることになる。

 だから実際に利用された経験があるような老舗旅館では「文豪が良く泊まった」ということそのものが、宿のアピールポイントになった。また「○○の間」と称した部屋があり、かつての文豪がそこに滞留したということに付加価値がついている部屋もある。

 この人は文豪と比べると比較レベル以前かもしれない。しかしそういう環境で執筆をして名作を創作したという話を聞くと、ついつい真似をしたくなるもの。「温泉旅館で作品を書いたら良いものができるかも」という動機だ。それにこの人は元々旅が好きである。だから旅先で真似をしてみたのだ。

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「海の見える、風情ある温泉旅館に宿泊だ」
 ある旅のとき、そんな高揚感を抑えつつ、温泉旅館にチェックインした。この人はさっそく意気揚々と浴室に足を向ける。幸いほかに人はいなかった。

 さっそくかかり湯を済ませる。そして足をつけると湯の熱さは、ややぬるめに感じた。ここは加温も加水もをしていない源泉け流しだからだろう。
 そしてゆっくりと片足から湯面につけていく。熱くないから抵抗なく、すんなり肩まで入った。そして温泉の窓から見える海。この日は天候が悪く荒れていた。だが実際には窓で覆われて無音のはず。
 しかし、この人は目の前の絶景を湯につかりながら眺めていると、ときおり見える白いその荒波から、海の潮風からくる笛のような音色、波が岩に激突するときの衝撃音が、耳元で囁くように聞こえるのだ。

 そして湯で創作のヒントになるものを思い浮かべる。「温泉ネタでいこう」「いやこの地域ネタが良いものか」と静かに湯に入れば、頭の中から浮かんでは消えるアイデアの数々。少なくてもそこまではよかった。これはまるで文豪の追体験に近いのではとさえ思える。

 だがその後に問題が生じた。

 湯に上がりゆったりと過ごす。食事を終えてると「さて執筆」と考える。当時は原稿用紙に万年筆を使ったのかもしれない。いまはスマホのアプリに当初から備わっているメモ帳機能だ。
 何ならnoteのアプリもしくは、ブラウザを立ちあげても書ける。しかし実際にはできない。満を持していたはず。なのに執筆をやろうという気力が起きないのだ。

 その理由は「短期滞在」だったからであろう。この人は所詮文豪のように長期滞在は出来ない。せいぜい1泊2日。
 そしてチェックイン前にせよチェックアウト後にせよ、旅先ではいろいろ見聞するものがある。これは実のところ意外に忙しい。旅から戻ると疲労が蓄積するのはその理由だ。だから旅館で温泉に入って食事をとれば、次に襲ってくるのは睡魔。だから執筆できない。

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 と言いながらも、この人は2020年に入ると連日小説を執筆する。だから実はスマホを片手に床に就きながらも、どうにか指先をくねらして執筆した。体の全身からにじみ出る疲労による「だるさ」と、目が時折閉じるような錯覚。途中でレム睡眠?ひょっとしたら夢と現実が混濁した瞬間があったかもしれない。
 それでも文豪のようなスタイルとは程遠いが、一応旅先で数本書いて公開したものがあるのは事実。ここではあえて紹介しないが、旅先ではその場の書下ろし作品と、過去に書きためたものを公開した。

 それで分かったことはただひとつ。「旅先での作品には限外がある」その理由にいつも創作するような作品とは少し違う。

 つまりこの人が執筆する最適な場所は自宅である。そして普段はデスクトップパソコンで執筆。作品内容はいざ知れず、そのスタイルですら文豪とは程遠い結果になった。でも何度かチャレンジしたから後悔はしていない。

画像2

 そして執筆の時間であるが、これは深夜になることが多い。ときおり昼間に、軽い下書きをすることはある。だがアウトプットとして気持ちがのって一度に筆が滑るのは、深夜の時間帯なのだ。そして公開すると、そのまま睡眠時間に突入。

 そしてこの文章も深夜になって無事に書き終える。そして公開に踏み切った。


こちらの企画にかかわってみました。

企画のルールです。
タイトルに【いつどこnote】
ハッシュタグ「#いつどこnote」
写真なしでもOK
記事を書いた方は「このnoterさん、いつどこで書いているのかな?」と気になる方につなげてください。
その方の記事をのせてください。
つながった方に内容がわかるように、この記事を埋め込んでください。
期限はバトンが来て1週間以内にお願いします。

 数日前に回ってき「よみがえる遺産」というたリレー企画。無事に次の人に手渡したと思ったら、なぜか戻ってきた!と思ったら別のバトン「いつどこnote」と言う。やっぱり事実は小説より奇なりの現象が起きました。ということで緩やかに前回の続編と言うスタイルを踏襲。随筆のようなノンフィクション小説を書いてみました。

今回は「いしまるゆき」さんから頂いたバトンを「ある」さんに手渡しました。よろしくお願いします。

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シリーズ 日々掌編短編小説 293

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