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執念第一 第1055話・12.19

「執念とはあまりよろしくないですなぁ」今日は近くの寺に来ている。ちょうど住職がいらしたので挨拶をすると、そのまま問答のようになった。

 住職はそう言って小さくため息をつく。だが私はそれに反論をしたくなった。「どうして執念が悪いんですか?」住職は遠く視線を向ける。そこには本尊の仏像が微笑んでいた。

「物事に捉われているのは良くないですな。同じことを執着し続けるのはどうでしょうなぁ」
 私は納得できないがこれ以上住職と議論することは本意ではないので、「わかりました」とだけ言って寺を出た。

「坊主だって仏教のことで執念燃やしているくせに!」と、愚痴る私はあることに執念を持っている。それはある特定分野のことに非常に興味を持ち、連日ネットで調べたり、図書館で本を借りたりなどして、日々研究をしながら学んでいた。

「いつか極めたいこの分野!執着でも私にはファーストよ」私はそう心に言い聞かせ、今日も執念を第一に考えるのだ。

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シリーズ 日々掌編短編小説 1055/1000

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