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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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#ほろ酔い文学

2022年のわたしと仕事 第1066話・12.31

「わかったよ」の声が響いた。だが目の前に置いてある、予約注文で届いたばかりのお節料理のパ…

コーヒーにするか日本酒にするか 第980話・10.1

「今日は寝たなあ。でもなんでクルミを食べながらミルク飲んでたんだ?」 おかしな夢から目覚…

呑みながら受ける相談とは? 第970話・9.21

「先輩、この辺りどうでしょうね」「立ち飲みより、席に座れる方が良いんだけどな」今日は会社…

ホタルイカを食べた後に見ようかと 第962話・9.13

「じゃあ、あの飼っている仔は、預かってもらっているのか」手伝ってくれる先輩に僕はうなづく…

画伯と酒を飲む? 第952話・9.3

「ええ!おまえ、そんな才能があったのか、びっくりしたよ」友達が遊びに来た。僕の部屋に来て…

湯上りの不機嫌 第948話・8.30

「ごめん、ちょっとゆっくりしすぎたわ。でもエドワード!いいお風呂だったわね」日本語堪能な…

モヤモヤとスッキリ 第940話・8.22

「あいつ結局、海には行かなかったのか......」8歳年下の弟からのメッセージを確認した兄はため息をつく。引きこもりの弟を持つ兄は、少しでも弟が外に出る機会がないか考えていた。夏といえば海、開放的な海にでも行けば、引きこもりの性格も少しは変わることを期待したのだが、そもそも行かないとは前提として間違いであったようだ。  兄は、スマホを置いた。気持ちがモヤモヤする。立ち上がって部屋から窓を見た。今日も空は青く晴れあがっている。「まあ、確かに今日は暑いだろうなあ」弟が前の日まで

記憶が喪失するときって 第925話・8.7

「例えば記憶が喪失するって、どんな気持ちなんでしょうね」ここは私が会社が定時の時に週に一…

浴衣に身を包んでも 第922話・8.4

「真理恵、定食まだかなあぁ、腹減ったよ」「ねえ、もうちょっと待ったら?今日はお店忙しそう…

異次元への道 第912話・7.25

「描ける、描けるわ!」戸画朱(とがしゅ)というペンネームで活動している女性の画家は、長く…

先にお飲み物お伺いしましょうか?/ご注文はいかがなさいますか? 第903話・7.15

「先にお飲み物お伺いしましょうか?」  居酒屋の店員が注文を取りに来たが、平良は「ち、ち…

900円のメニュー 第900話・7.12

「いやあ、今の時期は熱中症もありますからね。いや。本当に注意してくださいな」「マスター解…

路面電車と路線バス 第886話・6.28

「お、バスが通過していったかぁ」貞明はおもわずため息をつく。貞明はある町の路面電車の運転…

呑みながらの方が筆が進む? 第877話・6.19

「下北半島はいいよ。あんた行ったことがないの?」という部屋からの大声。祖父、茂の部屋に、相談しようと思っていた大学生の大樹は、中に客がいることがわかったので、あきらめて自室に戻った。  一方茂の部屋に来ていたのは、茂の執筆仲間である、酔狂呑み太郎というペンネームで活動している男。名前の通り、大の酒飲み。茂の家に来たかと思えば、いきなり持参した一升瓶の下北半島の地酒というものを取り出した。その蓋を開けてグラスに注ぐ。茂も酒は好きな方だから、自前のグラスをしっかりと用意していた