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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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#不思議体験

私だけかもしれないレア体験 第1064話・12.29

「新作第一号だもんな」働き者と自称する男は、ようやくできた試作品、新製品に満足すると、家…

巨大風船が 第977話・9.28

「なにやっているの?」家の裏山の上にある小さな祠の前で、女の子が風船を片手に何かを探して…

夢か現実か 第934話・8.16

「不思議な出来事だった」今動物園に来ているのに、まだ記憶の片隅に残っていることで悩んでい…

トンネルの向こう 第899話・7.11

「ここにトンネルがあるのか......。うん、向こう側が見えるな」今日俺は不覚を取った。半日間…

映画に誘われ 第888話・6.30

「来た来た、もう待ったわ。ちょっと遅かったわね」私は時計を見た。確かに遅刻している。「ご…

謎の契約書 第873話・6.15

「誰?こんな時刻に」私は突然部屋をノックする音を聞いて警戒した。時刻は深夜。まもなく日付…

ホログラムでコンタクト 第864話・6.6

「レーダーに反応したのはどうやら未確認の艦船です。船長どうしますか?」ここは大型宇宙調査船の中である。宇宙空間において長く存在の有無がわからなかった、地球外生命体が初めて発見されてから数十年が経過。  特にここ数十年のうちには、単なる生命体ではなく知的レベルの高い生命体とのコンタクトをとる機会が増えた。いわゆる宇宙人・エイリアンである。 「とりあえず呼びかけてみよう」300人の宇宙調査隊を率いる調査隊の隊長でもあった船長の命により、通信隊が未確認艦船に対して呼び掛けた。これ

ローズの路地に引き込まれる? 第860話・6.2

「なんだかんだ言ってもローズの花は綺麗ね」とバラの花を見て喜んでいるのは木島優花。パート…

変な観光地 第856話・5.29

「変な感覚だ」私は列車を降りて「観光地」とされる場所の最寄り駅に来ていたが、どうも納得で…

デジタルに収納するそれから 第845話・5.18

「へへっ今日も色々と撮影したぞ」ハイキング姿の男は、ひとりでつぶやき自己満足。手には黒い…

怒ってる?落ち込んでる? 第820話・4.23

「うん、なんだ! 貴様、何を見ている?俺に用があるのか」すぐ目の前で声が聞こえた。「ふん…

絵描きに呼び止められる 第802話・4.5

「おい君、どこに行くんだ。僕と少しお話をしようじゃないか?」私は一瞬頭が混乱した。 「え…

トンネルの先の世界 第801話・4.4

「おい、西川、あれなんだと思う」同じ年の親友。川西が見つけたものは、廃墟のようにも見える…

平成のマネキン人形 第791話・3.25

「この連休が終われば、私も処分されるのね」ここはあるショッピングセンターが閉店した後の深夜。もう4年ほど前、世間ではちょうど平成から令和に変わったタイミングの話。婦人服売り場にはマネキン人形が置いてあるが、その中の女性の形をしたマネキン人形一体は、不思議なことに意識がある。 「そうか、世間では令和という時代になったのか、30年以上、ちょうど平成の時代をずっとマネキンとして生きてきた私もお払い箱。もうこの顔もついた全身タイプの人形もこのショッピングセンターでは私だけだよね。み