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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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2023年3月の記事一覧

猫のいるしあわせ 第1140話・3.31

「本来ならこのまま帰るのだが...…」自分ははそう思いつつも、今日は帰らない。なんとなく帰…

桜前線レポート 第1139話・3.28

「12時まで2時間余りか」時計を見る。まもなく10時になろうとしていた。大切な約束である。急…

泊まってよかった宿 第1138話・3.27

「ならもう少しいようか」ふと窓に視線を向ける茶髪の女は、ひとり旅の最中であった。女は特に…

雨の日をたのしく 第1137話・3.23

「さて、寝よう」と一寝入りした時に、もう一度明日の天気を確認した。ここでため息をつく。「…

リモートワークの日常 第1136話・3.22

「思わぬ出費に、少し頭が痛たいだって!」僕はちょうどパソコンの前にいて、3か月くらい前にS…

退職エントリ 第1135話・3.21

「ありがとう」俺のグラスには、なみなみと瓶からビールが注がれていた。  今夜は俺がリーダ…

AIとやってみた 第1134話・3.20

「外の世界を見たくなるのかもしれないが、やっぱり数かしら」 数学が大好きな少女は電卓を持ち歩きながらそんなことをつぶやいていた。 「おい映画を見に行かないか?」突然少女に声をかけたのは映画が大好きな友達の少年である。少年は普段は家族と一緒に映画館に行くのが楽しみだったが、家族は出かけており、この日はひとりであった。  ひとりで映画を見ようかと思っていた時に、友達の少女が目の前を過ぎたのだ。 「いいけど、ねえ、どんなタイトル」少女は少年に映画のタイトルを聞くと、どうやら数字をテ

習慣にしていること 第1133話・3.19

「さてと」ここで目をつぶる。5秒ほど無心になった。そして目を開ける。その直後に働いた直感…

休日のすごし方 第1132話・3.18

「次の休み動物園に行こう」そう考えていたから、この休日は動物園に向かっている。動物園にせ…

ビジネス書が好き 第1130話・3.14

「さて、今日はどうしようか」朝食が終わった。いつもならあわただしく出かける必要があるが、…

私の朝ごはん 第1129話・3.13

 車も走らない夜の道路は静かであった。いつも見ている目の前の道なのに本当に別世界のよう。…

眠れない夜に 第1128話・3.12

「あ、もう、こんな時間だ」私は時計を見た。まもなく日付を超えようとしている。明日は朝早く…

私のコレクション 第1127話・3.10

「何かに生かせないかな」茶色い帽子をかぶった男は、物思いにふける。男はあるものをコレクシ…

このデザインが好き 第1126話・3.9

「いったいどう表現してよいのか」このあの日以降、俺は必ずメモに取った。メモといっても文章ではなく落書きのようなものだ。それは何か、あの日からよく見る不思議な文様のこと。 「あのデザインは気になる。好きだ」初めて見たときにそう思った。思ったが、何しろ夢の中の話。とにかく起きた瞬間に鮮明に残ったあの文様の記憶、覚めぬうちに書いてみた。だが俺はデザイナーでも絵描きでもないから、うまく書けない。結局よくわからない落書きを一枚書いて最初は終わった。  この夢で出てくるデザインは毎日は