マガジンのカバー画像

日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

957
2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
運営しているクリエイター

2022年10月の記事一覧

この街がすき 第1010話・10.31

「あいまいだから日本語ではなかったかも知れない」あれから25年、私は久しぶりに生れ育った街…

思い出の曲 第1009話・10.30

「今年の秋も去年の秋と同じことをやるんだけど」と、部屋の片隅に置いてあるラジオから聞こえ…

秋だからやってみた 第1008話・10.29

「せっかくの秋だし何かやってみよう」ここで目の前にある柿を食べながら、空を眺める。雲ひと…

秋のイラスト展 第1007話・10.28

「後悔するかなぁ。いやしないと思う」一枚の柿のイラストを見てふと考えた。「秋のイラスト展…

わたしの本棚 第1006話・10.27

「事前調査しておこう」と、男は犯罪の疑いがある人物の事務所の前に来ていた。強制捜査の前段…

おすすめ家電 第1005話・10.26

「まるでこれじゃあキズキズマンだな」昨日フリマで手に入れた中古の家電を改めて眺めながらそ…

私の推しキャラ 第1004話・10.25

「そうか、お前の言う通りかもな」という吹き出しが付いた、ウサギのキャラクターを眺めながら小さくつぶやくのは霜月もみじ。「キャラクターねえ。私はキャラクターで推せるものなんてあるかなぁ」  もみじが見ているのは、とある公募の募集要項である。しばらく眺めていたがやがて複雑な表情をしたまま腕を組む。この公募は「好きなキャラクターをひとつえらび、なぜ好きなのか、そのキャラクターへの愛を訴える」という内容。応募者の中から抽選で素敵な商品がもらえるというのだ。  最初は気軽に応募して、

マンガ感想文 第1003話・10.24

「このオチじゃあねえ、ダメだってもう」Aは心の中でつぶやくと、小さくため息をついた。これ…

映画感想文 第1002話・10.23

「この前の映画の感想はと」俺は高校の国語教師だ。課外授業の一環として担当する生徒に映画の…

みんなでつくる秋アルバム 第1001話・10.22

「うーん、これでも良いかしら」私は少し前に撮影した水辺のコスモスの写真一枚を手に、持って…

振り返りnoteと千円札 第1000話・10.21

「こんなところに千円札が......」千本達成(せんぼんたつなり)は、千円札を見てため息をつく…

おいしいお店 第999話・10.20

「周りから何も言われないから、つくってみたよ」ここは山梨県内を走っている列車の中。高校生…

つくってみた 第998話・10.19

「これからはノートを活用した方が良いな」などと思いながら、窓の外を眺めていると、目の前の…

noteでよかったこと 第997話・10.18

「noteでよかったよ。もしネット上にデジタル入力してたら、この論文はどうなっただろうか?」野手良事(のてりょうじ)はそう言って、かろうじて持っていたノートを見ながらほほ笑んだ。  突然の悲劇が訪れたのは昨日の事だ。それまで良事を含め、町は平和そのもの。町というより世界が平和であった。厳密に言えば局地で紛争はあることはあるが、たがが知れている。大多数の人々は平和を享受していた。  ところが昨日の朝に臨時ニュースが世界中を駆け巡った。「謎の巨大隕石が猛スピードでわが星に突進