モノクロームな世界 第724話・1.17
「母さん、昔の世界はカラーで、色が楽しめたんだよね」今年の春に高校生になる15歳の新(あらた)の質問に母親の顔色が変わった。
「や、やめて! お願い!それは言わないで」突然目から涙をためてて悲しそうな母の表情。慌ててふたりの前に来たのは父親だ。「おい、お前、今の新の言葉は忘れろ!今のは空耳だ」優しく母の背中を撫でる父は、新に視線を送る。「新、母さんにその話はしてはいけないんだ! 後で父さんがちゃんと質問に答えるから、部屋で待ってなさい」
新は「母さんごめん」と一言謝ると自