岸正真宙(キシマサマヒロ)

オスです。

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かみぶくろの女たち

銀座の高層階のホテルの窓辺で、夜の街のイルミネーションを眺めながら湊八生(みなとやよい)はうっとりしていた。八生はシーツを引っ張って、身体に巻き付けながら、ソファーに座って、残っていたシャンパンを傾けた。足を組み替えたので、シーツの中にあったはずの八生の白い腿が露わになった。さっきまでその奥の中に僕、高田義孝(たかだよしたか)は居たのだった。八生の肌は陶器のようにすこしひんやりとして気持ちよく、僕と重ねあったところ全てが愛おしく、その最中はこの上ない多幸感に包まれていた。すこ

    • 探知 #呑みながら書きました 

      何を書きたいかとか分からないまま書き綴ってみてますが、どうにもこうにも、空間が胸にあるみたいでして、宛ら、溝から吹く冷たいシベリアのような空気が私の前まで上がって参ります。外には、降る雨が、寒寒とさせており、内からも外からも心底冷えのある夜にも思えます。 耳の淵が痒くなり、少し掻いてみて、耳の痒みは何かに例えられそうだなぁなどと夢想するものの、結局何も浮かばない毎日ように思えてなりません。 私がこれほどに、何か空虚な自分と向き合わなければならない理由を、探してみても、直ぐには

      • 緑と赤い雨 #パルプアドベントカレンダー2022

        1 冬が到来し、気温は随分と下がっていた。この寒さであれば外にいる人は凍えてしまうだろう。雪が少し降り始めた、北米にある小さな町のバーでは外灯が点いていた。そこには仄かな温かさがあり、人が生きているということが感じられた。そのバーの店内は十分な広さがあり、音質の悪いクリスマスソングが流れていた。あのあまねく人々に祝福を贈る神の日が近づいていた。リズミカルなトランペット音が人々の心を跳ねさせる。もしも、その場に人々が居たのなら、靴底でリズムをとってクラップを打っているかもしれ

        • 書くのが怖いし、だから書けないんだ #呑みながら書きました

          今晩は、あるいはおはようございます。 夜中入り口に立ちながら、目の前の扉を開けずにここに居ます。真っ暗なnoteに居ます おそらく1日遅く参加になってしまいました。#呑みながら書きました企画 (後でリンク貼る事) https://note.com/tonarinotororo/n/nd3bb67f16949 そうそう! こうやるのね! ↑失敗した! そう、今日は浄水器の水を呑みながら書き始めてみました。なんだか部屋が暑い。真っ暗なリビングで書いてます。暑い暑いと、お尻

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          パラポリンカ

              〇     紫と翠色が混ざり合っているような夕刻の空。雲が遠く、近くと峰をつくる。上空一万メートル。地表の色は黒く、空の色とあいまって、綺麗なツートーンを水平に描いていた。風が強く、甲板に出るとゴーグルなしには目を開けることができない。突如、近くの雲から小さな爆発のような破裂音が聞こえる。我らローバルト空団の大ガランカ(直径二キロメートルの母船)の船先が顔を出した瞬間だった。ガランカに粉砕された雲が後ろに流れていく。 「ナユタ、ガランカが出てくる。周囲の警戒を怠るな

          日記 2022.07.18

          真夜中の入口が、開くちょっと前の今。これを開いて書いてます。遅くに今晩は。 先日一家でコロナに見舞われました。 (見舞うが、病気を見舞うと同じなのに強行的に使った事をお許しください) 何もかもストップしました。 今は皆元気です。 今後も流行っておりますので、皆様どうぞご自愛の程、そして、お気をつけください。 家が、家庭が台風になるとはまさにコレです。 コロナは家にあげない方が良いですよ。 さて、そんな訳で、書くのも止まっておりました。 で、やっとこ一つ宿題終えたので日記に

          もの書き文化祭 #もの書き100問100答 #真夜中インター

          文化祭、好きなので是非参加させてください! 真夜中のインターネットで出会った、創作エピソード 真夜中のnoteで出会った創作物。そして感化された人々。 随分前になりますが、最初、私はnoteで創作をするつもりは無く「書いたら誰が見てくれるのかな?」っていう好奇心だけで書き始めました。創作なんてものじゃなく、ちょっと文章を書くぐらいのものです。そんな中、二つのnoteの創作・アンソロジーに影響を受けて次第に私は小説という形を取り始めたのだと思います。 その二つ Kさんの散

          もの書き文化祭 #もの書き100問100答 #真夜中インター

          #呑みながら書きました 掌編書いてみた

          名前をください 小さいころに見た夢のような、明るいところから見下ろしている世界の風景を、手元に抑えたいと思ったみたいに、私は山田君を校舎の三階の窓から見ている。中庭になっている、コンクリートの広場で、そこは卒業式や入学式の時に必ず記念写真を撮るような学校でも象徴的なスペースで、思い出のアルバムなんかを開くときは必ず、そのシーンが写ってくるような、そういう場所で、つまり神聖で、ある意味高校生活を意味する場所で、ステータスで、そこに堂々とたむろする、山田君は学校の一軍みたいな人

          #呑みながら書きました 掌編書いてみた

          レンタル

          お題「レンタル」に対して、掌編を書きました。 よろければ、お読みいただけると幸いです。 ここからは日記的な意味合いでして、アイリダの件をnoteに書いたので、すこし気持ち的にはひと段落下ような気がします。 アイリダの予約をしてくださった方、シェアをしてくださった方、応援をくださった方、ありがとうございました。 また昨日の夜にTwitterのスペースで世瞬Ⅲの打ち上げをしました。楽しく話したので、やはり陰キャの私は、知っている人たちの中だとはしゃぐ傾向にあるみたいでした。

          見つからなかった「面白い」に答えを

          小説を書きました—— 今日、この一文を載せるのに僕の勇気はほとんど使われてしまいました。 それぐらい小説という言葉は僕にとって大きな壁で、偉大なもので、とうてい書けるものじゃないと今でも思っているからで、それでも今日はそう言おうと決めたから。 僕はこの世界に、その文字を埋め込みます。 〇 このnoteに初めて小説を書き上げたのは、もう4年も前になります。その時は今よりもっとフォローしくれてた人も少なく、だから、その小説がまさか読まれると思っていたわけではありませんで

          見つからなかった「面白い」に答えを

          日記 文フリ振り返り

          2022年5月29日に文フリに行ってきました。 世瞬Ⅲの発売だったのを契機に、初めての文フリ訪問だったこともあり、ワクワクした気分で行きました。 到着。 東京物流センターといって、イベントをする場所のですが、大井にあり、交通の便が悪いですね。モノレールでしか行けないところです。 ただ、昔レナウンの家族セールに招待されて行ったことがありましたが、中は広くてイベントにもってこいの場所です。 中に入るための列は長く、建物の外まで伸びておりました。列の最後尾に並んだあと、前の人も、

          日記 文フリ振り返り

          炭酸水ver2

          新作じゃないですが…… 氷室冴子青春文学に炭酸水を改稿して、応募してみました。 青春。 僕には青春というのものが、あったような、無かったような、不確かな感じを覚えます。 繊細だった、そんな感覚がすでに無くなって、記憶にはあるのに思い出せない。そう言う風に考えています。 おかげで、青春を描く。これがなかなか難しい。そう思っています。特にプロの方が描く青春はとても綺麗で一瞬ですね。 だから、僕は、青春を着るほうが似合っている。 恐らく、炭酸水もそんな僕の青春の在り方かなと思い

          日記 20220526

          書けない 時間がない、浮かばない、疲れてて元気ない なかなか「ない」に苦しめられてます そんな訳で日記にしたためて、書いたにしてみようかなとか 元クマキヒロシなので、Twitterなとで急に話しかけられて、皆さん困惑してる気がしてます。 すみません。ご迷惑をお掛けしてます。 岸正真宙 まだまだ作品を生み出せてないからきっとそこが問題なんだと思いますが、こうやって日記に書くのでやっとこみたいなせいですよね。 小説書くのめちゃくちゃ腰が重くなってきてて、それが筆が遅くなる理由に

          文芸誌に寄稿

          いやはや刺激的な体験でした。 今回、世瞬舎様の文芸誌「世瞬vol.3」に作者人生で初めて寄稿させていただいた。 嬉しい嬉しい。 さて、今回声をかけてくださった世瞬舎様のコンセプト、とても面白かったです。 皆さん時間と時節についてどう感じていますか? 私は時間や時節を極めて普通の流れの中にある、まさにその名の通り時計の針ように正確で、そして圧倒的な不可塑性を感じています。 皆さんも同じような感覚なのではと思います。 しかし、世瞬vol.3が掲げるコンセプトはどちらかとい

          日記 20220424

          僕が書く小説の文章はとても下手くそです。それはまあ日本語が変で、主従が逆だったり、主語が遠かったり、脱字してたりと、とにかく下手なんです。最近、実は校正をしてもらいました。いやはや、直しが多くてとても大変だったろうなと、文字面でしか合ってない校正家さんに平謝りの気分になりました。 それにしても、その校正は丁寧でした。返しを見て、純粋に嬉しかったです。誤用や、明らかな間違い、衍字など当然ですが、書かれている固有名詞やシステムに対して調べてくれたり、物語の流れを読み取って、確認

          日記とか

          ご無沙汰しております。 若くは初めまして、こんばんは。 久々にnoteを開きました。しかもスマホで。 なんだか随分書きやすくなってますね。 最近つと書いてませんでしたが、久々に書いてみようかなぁと 雑感とか、色々で読みにくいかもしれません お目汚し、お赦しください。 なんて言いながら 書く事はだいたい決まってて なので、ちょっと思い出話から そう、noteに投稿して、数年経つそうです。始めは書いたモノをアップして読んでもらえるとか、凄いよなぁって思ってました。だって、ど