くまひげ君、がんばる

小児精神科医で自称ブロガー。Internet黎明期よりネットを使った医療情報を発信して…

くまひげ君、がんばる

小児精神科医で自称ブロガー。Internet黎明期よりネットを使った医療情報を発信している。主な内容は精神医療と小児医療だが、医療・医学全般の、より正確な情報発信を目指している。2014年内は、全てを無料で、と思っているがなぜか有料と記載されている。実際には最後まで無料。

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最近の記事

医療は誰のもの?

今年度末で今の勤務先を去ることにしました。 具体的な理由を記載できませんが、まぁ、同僚の医学的力量の乏しさと、その自覚のなさにに加えて、同僚と共に臨床に携わってきたスタッフも無自覚なので。 例えば当院は最寄り駅から徒歩10分以上の住宅街に位置しますが、予約時間の10分前にしか入室できないという張り紙をして、患者さんにそれを強く求めるとか。全く知らないうちに出された掲示だったので困惑したけど、今年の酷暑の中、高齢の方も空くナぬないので診察の時に随分苦情を言われました。 私

    • 無題

      記憶の中で繰り返し再生されるのは、母親のあなたが僅か6歳くらいの私を、家に置き去りにしてどこかに行ってしまう光景。「もう帰ってこないから」という言葉と、カギを閉められた玄関の音。 そういう酷い虐待をしただろう、と問い詰めても、あなたは「ただの冗談」と言った。 だから、虐待だと思っている私が異常なのだ。 何度そう言い聞かせても、「ただの冗談」なのに、母親に棄てられて、生きていく価値がないという確信は変わらない。 小学校に入学するまでに、何度も、押さえつけられて、身体にロ

      • 年も年だし。

        そろそろ廃業を考え始めないと、私自身が持ちそうにない。

        • そろそろかな

          どうにも改まった挨拶が苦手で。 色々と詰め込みすぎるので、丁度良い時期にアップロードが間に合わない。 タイトルの「そろそろかな」というのは、昨年58歳を迎え、世間的には初老期で、いわゆる定年という年齢が他人事ではなくなってきた。だから、これまでの延長線で考え続ける訳にはいかない時期だろうな、という。Facebookにも似たような内容を投稿した。 「私」という物語の終盤に向けて、これまでの伏線を回収し始めないといけない。 それは、トラウマだったり、やりたかったことだった

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        記事

          ずっと考えている。

          多分相手が、そうだ、と認めない限り、加害行為にはならない。法律上の問題じゃない。トラウマの話だ。 だから「あれは冗談」とか「そんな風に思ってたなんて」みたいに言われると、自責の念以外の選択肢は出てこない。 physical 身体的な暴力行為は、まだわかりやすい。psychological 心理的な暴力は、相手の意図を確認できなければ、その行為の目的も、自分が感じたダメージも、受け止められなくなる。ましてや、その心理的な暴力が、「あなたが〜だからだ」と、いかにも自分に原因が

          ずっと考えている。

          ファクトチェックは、FactをCheckできているのか。

           下記投稿に関して、少々疑問を感じたので、投稿元(http://provida0012.livedoor.blog/archives/10978784.html?ref=category00000_article_footer1_slider&id=8292209&fbclid=IwAR0_AoFtMJwNSZK_ig4xgaFMWML5rxngLTqIUgTgVHhmBiZAhZEoRfmGyqc)に引用されている(引用元はFacebookの個人的な投稿であった)ニューイン

          ファクトチェックは、FactをCheckできているのか。

          「第564回:相模原事件から5年。の巻」を読んで

          2021/07/27記す  Facebookで見かけた、雨宮処凛氏の「第564回:相模原事件から5年。の巻」(文献1)を読んだ。  「津久井やまゆり園」という障害者福祉施設に、介護を担う職員として勤務していた人物が、後年、元の職場だった、以前、自らが介護を担当したであろう障害者を、自らの手で殺傷した事件。殺傷された人数が多かったことや、被害者は抵抗できない状態の人が多かったこと、元職員による殺傷だったことなど、多くの側面で世間に衝撃を与えた事件だった。  当時から、自首

          「第564回:相模原事件から5年。の巻」を読んで

          「『「日本は同調圧力が凄い」というのは本当なのか?』を読んで」

          2021/8/9Mon 「日本は同調圧力が凄い」というのは本当なのか?(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/85805)という記事を読んだ。 上記にあるように、周囲と「同調しよう」という意識は、コミュニティを形成して生活している以上は、世界共通であろう。 が、「特定の集団(国、社会、企業、地域、学校、コミュニティ、組織、等)への帰属」という意味での同調しようという意識と、同調させようとする意識を考えれば、どうなるだろうか。 集

          「『「日本は同調圧力が凄い」というのは本当なのか?』を読んで」

          「発達障害」の本質について(私の理解)

          「誰かといたいのに、一人でいたい。」 https://note.com/knkm4lj11/n/n1d9b2e2fa2cd そういうタイトルのnoteの記事を拝読しました。 難しいけど、いつもではないにしても、それは誰もが抱く感情だと思います。 それを「回避型」などと表現するのは、どうかと思います。 もちろん、人格の偏りという表現自体がヒトのこころを全く理解していない証拠です。 まぁ、全世界で通用する診断基準(DSMとかICDとか)では、そういったビミョーな部分は盛り込

          「発達障害」の本質について(私の理解)

          はじめの、一歩。

          昨日、次の2つのブログを読んで、なんとも言えない感覚を覚えた。 「完全看護」は理想の姿なのか https://note.mu/tnishi1/n/ne198f3d4e8b5 「批判されない医療はない」からこそ https://note.mu/kaguyahime/n/nd92192c6d6db いずれも専門家の視点としては優れた視点を示してくれていると思う。それぞれの立場・視点から、体調不良を抱えている方に、より質の良い医療を提供できるのかを、日々考え、感じておられるの

          はじめの、一歩。

          難しいこと。

          日経サイエンス、2019年9月号、58~68頁、「デング熱ワクチンの昏迷」。 抗体依存性感染増強、ADEが提唱されているが、その明確な機序が解明されてない。 しかし、デング熱未感染の児がワクチンを接種した場合、その後のデング熱罹患によって重篤化し死亡する例が確認されているという。ワクチンによってできる抗体が、再感染時にデング熱ウイルスの増加を防げないらしい。 この主張は2016年にアントニオ・ダンスらが主張し始めたが、「ちっぽけな医学部のただの教員」でしかない「私たちを信じる

          精神医療を殺すのは、誰だ?

          この方のブログを拝読し、思うことが多々あるので、個々にまとめて記載します。 http://www.niwaiin.com/todrflam.html?fbclid=IwAR1QO9wk4vPBOego5O4oh5m0QJ6hcuyCUixXfVaSwkW36X3qsZnSCnR6r0g この人、本当にご自分で書いている内容が分かっているのだろうかと思ってしまう。 何故なら、言葉の意味も目茶苦茶だし、医療のシステム全体も理解していないし、何より薬についての知識がいい加減で

          精神医療を殺すのは、誰だ?

          国の精神医療に対する目論見を『深読み』する(2014年記述)

          2019/06/02 13:35初掲載 2020/02/09、誤字脱字レイアウト修正 以下の文章は、以前「はてな」にアップしたモノだが、はてなの新サイト移行にあたって、全ての記事を削除したので、こちらに改めてアップした。 元記事のアドレスは下記だが、既に存在しない。 http://d.hatena.ne.jp/Kumahige/20140215 以下、再掲分。 中医協(中央社会保険医療協議会)第272回議事次第を読んでみた。 「基本的な考え方」として長期入院患者が

          国の精神医療に対する目論見を『深読み』する(2014年記述)

          先の判決に異を唱える。

          以下、十分に吟味してないため、後日、基本的趣旨を変更しない範囲で、記載内容を改変するかもしれません。 江川氏の記事によって、どこが間違っているかが少し分かるようになった。 精神科医として、見過ごせない「間違い」は、「被害者の合意はなかった」の項目で、以下の部分。  ただ、本件があった時、Aは「離人状態」にあったと推測できる、とした医師の意見については、判決は次のように書いている。 〈検察官は、この点をAが抗拒不能の状態に陥っていた裏付け事情の1つとして上げているが、Aの

          先の判決に異を唱える。

          無題

          結婚などしなければ良かったと、何度も後悔した。わが子を授かったからだ。 私は幼少期に、何度も捨てられた。 正確には、母親が「離婚して、この家を出て行きます」という場面に何度も遭遇した。当時はせいぜい小学校低学年。9歳年下の妹が生まれる前だった。 その度に、玄関先で出て行こうとする母親に「行かないで」と懇願した。 会社勤めの父親は当時から大酒飲みで、専業主婦の母親とは不仲だった。 後に私が精神科医になり、不適切な養育を受けている(受けていた)方々とお目にかかる機会が非常に多いた

          在宅で、できる医師の仕事って?

          さて、5年以上前に発症した難病もどきの症状が、ここへ来て進行したらしい。 「もどき」と言ったのは、一旦「確定です」と言われた後で、本来その難病であれば血液中に存在するはずの自己抗体が全く、これっぽっちも存在しなかったから、「難病ではない」という結論に達したわけだ。 しかし各種文献を読むと、自己抗体とやらはその難病の患者の3割程度にしか存在が確認できないという意見もある。とすれば一体何を目安に診断するのかという大いなる疑問が残るが、難病法で規定されて診断基準には必須

          在宅で、できる医師の仕事って?