ファクトチェックは、FactをCheckできているのか。

 下記投稿に関して、少々疑問を感じたので、投稿元(http://provida0012.livedoor.blog/archives/10978784.html?ref=category00000_article_footer1_slider&id=8292209&fbclid=IwAR0_AoFtMJwNSZK_ig4xgaFMWML5rxngLTqIUgTgVHhmBiZAhZEoRfmGyqc)に引用されている(引用元はFacebookの個人的な投稿であった)ニューイングランドジャーナルオブメディスン(New Endland Journal of Medicine、以下NEJMと省略)の論文(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa2104983)を、MS-Wordの翻訳機能を利用して和訳し、内容を確認した。
 すると、和訳された「議論」のパートには、全く逆の内容が記載されている。
 つまり「 有害な妊娠および新生児の転帰の割合(例えば、胎児の喪失、早産、妊娠年齢の小さなサイズ、先天性異常、新生児死亡)は、V安全妊娠登録から妊娠を完了した参加者の間で、Covid-19大流行の前に研究された妊娠集団で公表された発生率と類似しているように見える」とある(以下「」内はMS-Wordの翻訳機能で和訳された文章をそのまま引用した)。
 これはつまり、新型コロナ流行前のデータと、新型コロナワクチンを接種した妊婦との間で、妊娠中の良くない出来事に、差はないと受け取れる内容であろう。
 また、妊娠初期を意味する第1、第2三半期でのことは「 第1および第2学期の早期ワクチン接種を伴う妊娠が完了したのに対し、大部分は進行中」であると記載されている。
つまり、出産に至っていないため、現時点で結論だす時期ではないと言うことだ。
 さらに、「 Covid-19ワクチン接種後にVAERSに報告された妊娠特異的な状態の中で、流産が最も一般的であった。 これは、2009年のH1N1不活化インフルエンザワクチンの導入後の2009年のインフルエンザA(H1N1)パンデミック中に観察されたものと同様であり、流産はそのワクチンを受けた妊婦によって報告された最も一般的な有害事象であった」
 インフルエンザワクチンを接種した妊婦と、何ら変わりのない影響を受けたという意味である。
 投稿のタイトルでは「”ワクチンで不妊”のデマ なぜ拡散し続けるのか」とあるが、内容的としては全くの逆で、ワクチンは妊娠中に有害な作用を及ぼすが、なぜ、ワクチンで不妊というデマを拡散するのか、という趣旨である。
 そして今回、自動翻訳を試みたNEJMに掲載された論文は、投稿の内容とは正反対と言って良い内容であった。そして、更には、「 3学期中に母親のCovid-19ワクチン接種後の重度の急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)抗体の経胎盤転移を示しており、これは母親のワクチン接種が新生児に何らかの程度の保護を提供する可能性があることを示唆している」と、妊娠中にワクチン接種を接種することで、出生した新生児にもワクチンの恩恵である新型コロナウイルスに対する抗体が譲り渡される可能性が示唆されたと記載されている。この点だけで考えても、妊娠中のワクチン接種が推奨さて不思議はない。
 もちろん、データが全て揃わない段階であるし、あくまでも「予備的な」研究である以上、「 妊娠の第3学期におけるCovid-19ワクチン接種に関連する妊娠または新生児の結果に関する明白な安全信号を示していない。」と記載されているように、この研究で全てが解明されるわけではないの確かである。
 自動翻訳に誤りがあるのかどうかは、英語の論文をより正確に読める方の指摘を待つ以外にないが、自分以外の人からの情報を元に、いわゆる孫引きを行ってファクトチェックと述べることの意義についてのべた。

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