在宅で、できる医師の仕事って?

さて、5年以上前に発症した難病もどきの症状が、ここへ来て進行したらしい。

「もどき」と言ったのは、一旦「確定です」と言われた後で、本来その難病であれば血液中に存在するはずの自己抗体が全く、これっぽっちも存在しなかったから、「難病ではない」という結論に達したわけだ。

しかし各種文献を読むと、自己抗体とやらはその難病の患者の3割程度にしか存在が確認できないという意見もある。とすれば一体何を目安に診断するのかという大いなる疑問が残るが、難病法で規定されて診断基準には必須項目として自己抗体が掲げられているので、一臨床医の私が異を唱えたところで暖簾に腕押し、馬耳東風であろう。

いずれにしても、数年前までは50kg以上確実にあった握力が、数ヶ月前には半減していたことや(ペットボトルの蓋を開けるのにも苦労するし、駄菓子の包装を開封することができなくなっていることも筋力低下を示唆する)、寝床から起き上がるときに自力だけでは立てなくなっていることなどを総合すると、少なくとも手足の筋力低下は明らかであろう。

ここに至って移動手段として自家用車を選択できなくなったのは更に痛い事実である。色々と面倒な事情が絡んでのことだったが、最終的には維持費がかかりすぎるというのがその理由だった。

確かに駐車場代、任意の保険料を高いと言うのは同意できるが、さて、今後、歩いて通勤するのが不可能になる時期がもうすぐ訪れようと言うときに、より簡便に移動できる手段をみすみす手放す手しまうのは、感覚の違いを加味しても理解に苦しむ。

かつて知人のクリニックでアルバイトを考えたときに、クリニックで提携している駐車場がなく、勤務中の駐車料金を自腹で支払うことが条件になった。勤務の報酬は〇万円だったが、一方で駐車料金は1万円に満たない額。それでも「駐車料金がも無駄である」という家族の意見に押し切られた。もちろん、駐車料金を自腹で負担しない方が特に決まっているが、駐車料金を超える収入があるのが判っていても、結局は断念することになった。この感覚は今回の件にも繋がる感覚だろう。

今後、歩いての移動が難しくなった場合、タクシーなどを利用する羽目になるが、恐らく、それも高額になれば自腹で支払うことになろう。いずれにしても割高で、時間の融通は全く利かないから、選択肢に入らなくなる。

結果、まだまだ自力で出勤できる間に、自宅で働ける方法を考え出さねばならなくなるのだが、自宅で開業することが(空間が取れないので)不可能な場合、医師免許を有効に活用する方法が見つからない。

さて、どうした物かと頭を捻る今日この頃。

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