創作⑤ ストップウォッチ
会社からの帰り道、ふと気づくと中年男性が何かを探している。
「どうしました?何かお探しですか?」
「家の鍵を落としてしまって」
「それは大変ですね」
一緒に探すと、鍵はすぐに見つかった。
「おかげで助かりました。ありがとう」
そういうと、男性は腕の時計を外した。
「お礼と言っては何ですが、これを受け取ってください」
それは、ストップウォッチ付きの時計だった。
「こんな立派なものを頂くわけには」
「そう言わず受け取って頂けませんか」
どうしても、と言われ断る理由もないので、厚意