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60代からの楽しみ①2024 桜

今年は妻の入院もあり、退院したとはいえ、まだ体調は万全ではないため、
桜の花見はあきらめていた。

妻は、病院から帰ってきてから、少しずつ体力は戻ってきているようだが、
車で少し遠くへ行こうとすると、腰が痛いから無理だという。

一昨年、昨年と行った桜並木は、川べりの道が両方から桜に覆いかぶされ、
まさしく桜のトンネルだ。

今年も行こうと思ったが、車で1時間はきついらしい。

ならば、近場で他の場所とも思ったが、天候や気温の不順で、いつ頃が見ごろになるのかわからず、また仕事の都合もあり予定が組めない。

そうこうしているうちに、3日前に開花宣言が出た隣町では、もう満開だという。

これは、もうこの日しかないと思った。

その日はたまたま仕事が休みだった。

しかも少し前の予報では雨だったのが、直前で晴れ予報に変わった。そして実際に晴れた。

だが、妻の体調が思わしくない。体調というか、メンタル面かもしれぬ。

結局、この日はあきらめることにした。

いよいよ今年は無理か。満開の桜を見れば、気も晴れるかと思ったんだが。

次の日も私は休みだった。

空はどんよりと曇り空で、予報ではにわか雨が降るとのこと。

花見は難しそうなので、気分転換にドライブすることにした。

山の中や川べりに、数本単位で満開になっている。

しかし、綺麗だが華やかさは感じない。

天気のせいもあるかもしれないが、盛り上がりに欠ける。

どうせドライブなんだからと、車を走らせていた時、ふと思いついた。

10年程前に行った、山の中の公園。

たしか桜が咲いていた。

そんなに多くはなかったが、狭いところにコンパクトにまとまっていた。20〜30本はあったのではないか。あそこならどうだろう。

公園の駐車場に着いて驚いた。

一面桜の海。見事な満開の桜たちである。

こんなに桜あったかなと、記憶を辿るも覚えがない。

狭い駐車場周りに、優に100本を越える桜の木。そのすべてが満開なのだ。

少し雨があたりはじめたせいか、車は少ない。

妻は嬉しそうにはしゃいでいる。

これを今年の桜の見納めとするなら十分だ。

ここなら家から30分ほどの距離だ。

「今年の見納めに、いいものを見せてもらった」との妻の言葉に、

私も嬉しくなり、帰宅の途についた。

これで少しは気が晴れてくれるといいのだが。


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