採卵のリアル
こんにちは(^ ^)クマです!
最近、体外受精の説明をよくするのですが、そのときに「採卵怖くて、、、」と言う不安なお気持ちを耳にすることが多いです。
自分自身は採卵をしたことはないので実際の痛みは分かりませんが、どんなことをしているのか、どんな感じの痛みなのかは患者様に説明する上で必要なので理解しているつもりです。
今日は、採卵でどんなことをしているのか、どれだけ痛いのかなど採卵の実際をお伝えできればと思います。
◎採卵ってどんなことをしているの?
採卵では、卵巣に育った卵胞に針を刺してその中の卵胞液と言う液体を吸い採っています。卵胞液の中には基本、卵子が入っているのですが、卵胞によっては空胞といって空っぽのこともあります。
空っぽかどうかは採卵してみないと分かりません。
なので、一般不妊治療(タイミングや人工授精など)の際にエコー上見えている卵胞の中に卵子が入っているのか空っぽなのかは採卵をしてみてやっとわかることなのです。
一般不妊治療を続けていても妊娠しない原因はもしかすると空胞だからと言うことも考えられます。
空胞なのかどうかは採血によっても分かります。採卵前には採血をしてE2の値をみています。このE2は1個卵胞が育つと200くらいになります。なので見えている卵胞×200くらいの数値があれば採卵数は大体エコーでみている数と同じくらいと言えるでしょう。
ただ、レトロゾールマイルドと言う刺激法を行うとE2が実際の数に見合った数値より低く出るので、一概に卵胞数×200が正解とは言えません。
刺激法によっては卵胞数×200と言う計算式が合わないと言う点は注意が必要です。
◎実際にどうやって採卵しているの?
35cmほどの長さで、太さは1mm弱ほどの針を膣から卵巣へと刺して卵胞液を吸い採ってきます。
35cmって実際に見るとすごく長いです。
「これ刺すの?」
私が初めて採卵針をみたときのリアルな感想です。
不安を煽ってしまいましたが、ご安心ください!!
ちゃんと麻酔をするので痛みは和らいだ状態で採卵できます。
麻酔の種類は局所麻酔と静脈麻酔があります。
通常は局所麻酔で行うことが多いと思います。
局所麻酔ではあらかじめ卵巣に麻酔の薬を入れます。膣から卵巣に向かって針を刺して麻酔薬を注射してあげる方法です。なので、1回は針を刺さなければなりません。麻酔をするときにはちくっと注射をされるときのような感覚があると思います。
そのため、卵胞数が1個の場合は麻酔と採卵で2回針を刺すのが辛いと言う方もいます。その場合は麻酔をしないもしくは座薬で痛みを和らげるといった方法を選択することもあります。
静脈麻酔では局所麻酔よりも強い麻酔で、血管の中に直接薬を入れます。眠った状態(人によってはボーッとした状態)での採卵となるため、痛みは感じないと思います。
◎採卵の後は?
採卵の後に卵巣が元も大きさに戻るかと言うと実はそうではありません。
卵胞数が多かった方は結構腫れます。。
卵胞数が10個以下の方はそこまで腫れは残らないので採卵後2、3日くらいすればお腹の張りは治ってくるでしょう。しかし、卵胞数が多かった方は割とお腹の張りや痛みが続き、1週間近くは残るでしょう。
卵胞数が多かった方は特にOHSS(卵巣過剰刺激症候群)に注意が必要です。Dダイマーといって血液が固まりやすくないかを調べる検査も必要になるかもしれません。
採卵後は血栓予防のためにできるだけ意識的に水分を摂取しましょう。
もし採卵後の痛みが強い場合は痛み止め飲んでもOKです。
また、妊娠中はOHSSが起こりやすくなるため採卵数が多い場合には新鮮胚移植ではなく凍結胚移植を行いましょう。
あくまでも採卵に付き添っているスタッフとしての意見ですが、少しでも参考になれば嬉しいです。
本日もご閲覧いただきありがとうございます!
スキやフォロー励みになります!
是非お願いします(*´∀`*)
サポートして頂けるとすごく嬉しいです(^ ^) レベルアップできるよう、参考書等にあてさせていただきます!