マガジンのカバー画像

42
生命の火花。
運営しているクリエイター

2017年5月の記事一覧

魂?

生きていくのなら
5% 女
25% 男
40% 鳥
30% 風
になりたい。

でなければ魂だけになって生きていきたい。
そうでなければ生きていたくない。

ーー魂になってどうするの?

どうもしない。
死にたいというのとは違う。
実態や価値の付随しない、でも存在はしていたいような。

ーー存在して何かを見てるだけ?

感じるの。肌ではない部分で。
それで生きてるなーって。

もっとみる

足のない鳥

こんな夢を見た。

俺が照葉樹林を見下ろしている。太陽はばちりと瞬いた。影を裂く鋭さで雲が流れて行く。俺はどの木よりも高く浮いていて、猿にも人間にも狼にも襲われない。嵐の前夜のような荒びた黄昏だった。

花の香りが届いてきた。俺に鼻があったのかと自分の腕を挙げて確かめようとするが、腕を不当に動かした瞬間、泥濘の中途半端に乾いた地面に叩きつけられるのだと気づいた。俺は羽毛に覆われて、空を飛んでいる。

もっとみる

出会う前から好きだったよ。
夢で会ってたから。
僕は人間より妖精に生まれてくるべきだったのに、君に会うには人間じゃなきゃならなかった。 #小説

魂への科学的アプローチ

魂への科学的アプローチ

・魂には時代がある。
その時代ごとの文字を知ることで、いつが自分に合うか見えてくる。
「あの人はひと時代早く生まれてきてしまったんだねえ」
「彼は鎌倉時代の魂を持つ」

・魂には色がある。
直感(直観)で色付きのボトルを選ぶ。そして色を介してその人の内奥を読み取る。

・魂的とスピリチュアルは違う。
言語によって根ざすものが異なる。日本語の「たましび」は火の玉。幽霊のイメージ。
あるいは

もっとみる

問答

天使が佇む。くるくるカールした髪、中性的な顔、思わず触れたくなるような柔らかく丸い手足。ストロベリーシェイクを塗りたくったみたいに、可愛さに囚われた頬をしている。

そして、私を覗き込む。父母に殴られた試しのない無防備っぷりで。

「君はなぜ顔を背けるの」

「天使よ、キミは眩し過ぎる。私を視線で虐めるのはやめておくれ。私はもう現世で充分肉体を酷使したのだから」

「それに、心も、

もっとみる

病室の詩

四角く均一化された不気味なほど磨かれた白い部屋に妖しく輝く緑のピクトグラムは、常時別世界へ誘う。隣は脳神経外科患者のうめき声。リアルお化け屋敷ができるほど、人間こそ異種なのね。
コンビニへ夜食を買いに行く健気さがあれば、大丈夫という言葉が嘘をつかずに済むんだよ。一緒にアイスをほうばる恋人なんていなくても。
点滴と共にスマホの充電器をぶっ刺すのは失礼かと思って、電池切れまで放置しては孤独

もっとみる