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裸足たち(私の舞)

16
エッセイ集。基本、思考たち。たまに本能と感覚が舞っている。
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#詩

【詩】17 (かんげん)

私はよく
私が間に合わないことが
多くて

でも今まで
なにが間に合わないかって考えた
ことなかったかも

空間とか瞬間とか
見えないものは きりがなくて

でも最近思うのは
女とか
スペックとか
わかんないけど
わかんないけど

そういうもっと
単純に
わかりやすく
逃れられない
ものかもしれない

そういうもっと
私が手放せないまま
私がどうすることも
できない 私

あなたの知ってる

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小説を書くことのなにがむずかしいって、(16)

小説をかくことの
なにがむずかしいって

白に 言葉が 反応しないこと

電子に 文字を 打とうとすると
瞬間に とまる 空間

では 紙に書こうとすると
宇宙は いつも 間に合ってくれない

速記の検定でも とろうかしら?

して、とっても けっきょくは
まにあわないん だけど ね。

あたしと現実みたいなものだから

現実は はやくて
あたしは のろまに 間に合わなくて

現実が足一本 なくし

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【詩】15

新幹線に 乗ると

窓に流されて
ツルツルと しっぽの方へ
すべっていった

ねぇ みて みてママ
きれい

ちいさな子
ひかり しずく
気付き

その瞳に 水を光らせて

となりの母のうなずき
雨とともに 流されたようだ

子は はたと だまりこみ
ほおづえ を つく、