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課題7.実物を見る #夢をかなえるゾウ0 #やってみた

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課題7.『実物を見る』

(当企画の説明や目的はこちらから )

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以下は、会社の同じ課の後輩3人に向けて送った実際の文章です。
固有名詞や人物にフェイクを入れていますが、ほぼ原文です。

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Hさん、K君、T君、

アジア会議が終わったので、記憶が新鮮なうちに自分への備忘録も兼ねてアウトプットします。 内容については、御三方の頭脳であれば、今後回覧される議事録や出張報告書を読むので事足りるかなと。 でも、弊課担当者目線での、プレゼン準備から本番に至るまでのストーリーや当日の臨場感といったものが、社内公式の議事録や出張報告書で表現されるのは難しいだろうなと思ったので、僕が等身大に感じたことを、目の前に3人がいて話しかけているかのように書くことで、これらを表現し、伝えたいと思いました。いつの日か、3人が会議に出張する機会があった時の、何かの参考になれれば幸甚です。 先に言い訳させてもらいますが、ストーリーや臨場感を伝えるには、話し言葉の方が適していると思うし、ほぼ一筆書きで書いている(疲れでへろへろ)ので、冗長気味ですけど、許して下さい。



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国内営業出身の僕にとって、海外出張というのは、入社時、いや、子供の頃からの夢でした。だから、今回のアジア会議に出張させて頂けることが決まったときには、本当に嬉しかったというか、夢が叶ったかのような気持ちで、非常に大きなやりがいや高揚感を感じていました。自分が持ち得る全てのエネルギーを注ぎ込みたいと強く思ったし、実際に実行できたと自負しています。

でも、それだけじゃだめだったんです。

アジア会議の商品企画プレゼン資料は、機密性の高い情報が多く、様々な関係者の知識や思惑、意図を考慮しながら、色々とお伺いをたてて進めていく必要があった。言い換えると、普段の業務以上に、色々な人の力を借りて、巻き込んで、進めていかなければならなかった。

それは重々承知していたつもりだったんだけど、タイムリミットが近づくにつれて、自身に余裕が無くなり、視野も狭くなっていって、僕はどんどん自分の世界に閉じこもっていってしまったんです。頭の中が“やばい”で埋め尽くされていって、もう何も考えられなくなる。とにかく色々とわからないことだらけなんだけど、”なにがわからないのかわからなくて、相談しようがない状態”、みたいな。弊課あるあるですね。

でも、そんな、「なにがやばいのかわかんないけど、とにかく今やばいです」って時こそ、必死に周囲にアピールして、助けてもらうことが大事だったんだなって、今振り返って思います。

そしたら、思考や進むべき方向性、To Doの交通整理を、部長や課長がやってくれる。お二方とも、弊課のビッグボス、ボスになってからまだ日が浅いし、想像を絶する忙しさだろうから、ちょっと言いづらいな(忙しいのに申し訳ない)って思ってしまうんだけど、でも、あの人たちには、我々には見えていない世界が見えているというか、視座の次元が違うので、「なにがやばいのかわかんないけど、とにかくやばいんです」って鬼気迫る顔で言えば、あの人たちも鬼じゃない(むしろ仏)ので、ディレクションしてくれただろうし、仮にわからなくても、時間作って話聞いてくれたり、一緒に誰かわかる人のところまで聞きに行ったりしてくれただろうなあと、今更ながら思っています。

要は何が言いたいかというと、アジア会議は、いつも以上に人に頼って、巻き込んで、やばいときは、「なにがやばいのかわかんないけど、とにかく今やばいです」って言わないと、大変なことになります。経験者の僕が言うんだから間違いありません。

もちろん僕もそういった雰囲気を察せられるようにしますので、気軽に言ってね、というか、一緒に頑張りましょうね。3人が僕に力を貸してくれた、今回のように。

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ここから先は、ただ僕が言いたいだけのエピソード、つまり、おまけです。

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結局、最後会社を出た時のプレゼン資料の完成度は、肌感で65%、原稿は、0%でした。

だから、ベトナム着くまでの前泊の成田のホテルの中でも、飛行機の中でも、もちろんベトナム着いてからも、プレゼン準備以外でやっていたのは、トイレ、呼吸等の生命維持活動の類くらいでした。プレッシャー、ストレス、焦りで一睡もできないという経験を、生まれて初めてしました。

そんな鬼気迫る僕を見かねた部長が、バインミーとか、糞甘いベトナムコーヒーを差し入れてくれるんだけど、もう、飯なんて食ってる場合じゃないというか、何か口に入れたら臓器ごと逆流してきそうな、まさに極限状態にありました。あのインドネシア課長(サイボーグみたいな人)に、大丈夫か?って心配されました。

結局、スライドを完成させるのでいっぱいいっぱいになってタイムリミット。
原稿の進捗は30%くらいのところで、部長に泣きついてギブアップしました。

そしたら、僕はその30%の原稿を作るまでに4時間くらいかかったんだけど、残りの70%を、部長は1時間くらいで終わらしていて。

その姿を見て、こう思ったんです。

ああ、Hさんだったら、こんな原稿ドラフトなんて楽勝なんだろうな、
K君だったら、美学や矜持を持ってもっと美しい資料を作るんだろうな、
T君だったら、こういう事態になる前に要領よくさらっとやれるんだろうな、と。

自分と周りとの能力の差をものすごく感じて、にもかかわらず、謎のくだらん使命感で自分の殻に閉じこもり、その結果できなくて周りに散々迷惑かけてしまった自分が、本当に許せなかった。なんでもっと早くからやらなかったんだろう。なんでもっと人に頼らなかったんだろう。数え切れないほどの後悔や自責の念に苛まれていました。

プレゼン資料が完成して、当日15時の我々のパートになるまでも、資料間違えてないかなとか、動画ちゃんと流れるかなとか、色々心配すぎて。本当申し訳ないけど、他の国や、日本の社内の人たちのプレゼンそっちのけで、自身プレゼンスライドの見直しや細部の修正に没頭していました。

相変わらず飯なんて食える状態じゃなかったんだけど、これまで全く絡んだこと無いパキスタン担当のT君とかベトナム担当のM君が、レストランからパンとかハムをティッシュにくるんで持ってきてくれて、部長は相変わらずのあの感じで、優雅にコーヒー飲みながら僕の分まで持ってきてくれて、前部長もインドからきてたんだけど、何かを察したのか僕の方に寄ってきて、「…くぎまる君。仕事は失敗するのが当たり前なんだから、そんな緊張しないで、失敗する前提でやりなさい。…って言ったらもっと緊張しちゃうよね。HAHAHA~」とかなんとか言ってくれて。

あと、隣に座ってた前課長とアジア課長が、「プレゼンするのってくぎまる君じゃなくて商品企画部長でしょ? 資料は作り終わったわけだし、くぎまる君が緊張してもしょうがなくない?というか、実際にプレゼンする商品企画部長のほうが、緊張してると思うけどな」って言われて。

ほんと情けないことに、その時になるまで、部長の立場や気持ちを考えられていなかった。そして、いろんな人の優しさや自分の不甲斐なさからくる、たくさんの感情に、もう、心か、全然追いついていなかったんです。

なので、プレゼン本番中のことは、正直覚えていません。
部長の一挙手一投足、呼吸に全集中して、スライド操作をすることに必死でした。

唯一覚えているのは、プレゼンの中で、Hさんが作ってくれた新商品の動画が流れるんだけど、その動画が流れ終わって会場が静まり返った時に、とある方向から一人、大きな拍手をし始めた人がいたこと。 それがトリガーとなって、会場が割れんばかりの拍手に包まれて、なんとも言えない高揚感を感じたこと。そして、その拍手をし始めた人が見えて、それが、インドからきていた──前部長だったこと。

無事にプレゼンが終わって、拍手に包まれた部長が壇上から降りてきたんだけど、もう、とてもじゃないけど、部長を直視できないわけ。自分のくだらんプライドのせいで、散々迷惑かけたことがとにかく申し訳なかったし、そんなどうしようもない僕を見捨てず、ずっと声をかけ続けてくれていたこととか、部長の随所から感じていた、”肩の力抜けよ”ってメッセージとか、このプレゼンに至るまでの様々なシーンが、走馬灯のように脳裏に駆け巡り、目の前にあるPC画面より上にいる部長の方向に、目線を上げることができなかった。

だから、壇上から降りて来た部長が、直接自分の席に向かわず、回り道をして、ぼくが座っている方へ一目散に向かってくるのが視界の隅に見えた時、なんというか、もう、たえられなかった。

それでさ、部長が僕の席にきて、全てを察したように何も言わずに僕の肩をポンって叩くわけ。んで、手元に持っていた原稿を僕に渡して、一言。「これ、あげるよ」って。

その原稿には、僕が作った30%部分の原稿部分にたくさんの手書きの修正箇所やメモ書きがしてあって。

それをあえて最後まで僕に言わないでいてくれたこととか、一言声かけるだけで済ませてくれたこととか、言葉では表現できないんだけど、なんかもう、いろんなことを考えずにはいられなかった。

だから、我々の次のディスカッションパートも、僕がPC操作をしていたんだけど、会場の皆様が、会場中央に映し出された大画面のスクリーンに集中してくれたおかげで、僕の顔にスポットライトがあたることもなく、本当に良かったなって思いました。

おしまい。

くぎまる@タイ

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この世界を知る方法は、ただ一つ。『実物を見る』ことだ。実物にできる限り近づき、見て、触れて、感じることだ。そのとき君は気づくだろう。この世界がいかに美しく、感動に満ちあふれたものかということを。そしてこう思うだろう。『もっと、この世界を知りたい』と

引用元:夢をかなえるゾウ0(ゼロ)-ガネーシャと夢を食べるバク-水野敬也-

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夢をかなえるゾウ0 課題一覧

 1.日の出を見る
 2.好きな匂い、物、人、場所を見つける
 3.やりたくない依頼を断る
 4.自分の欠点や弱さを告白する
 5.生活に「初めて」を取り入れる
 6.自分の感情・感覚を丁寧に観察する
 7.実物を見る
 8.過去の出来事を「伏線」ととらえ、希望を持ち続ける
 9.興味を持ったことを一歩深める
 10.インターネットを一日断つ
 11.自然の中でゆっくり過ごす時間を持つ
 12.虫の役割を知り、大事にする
 13.名作を鑑賞する
 14.やりたくないことを全部書き出し、やりたいことに転換する
 15.怒りの気持ちを伝える
 16.苦手な人の信念を読み取る
 17.自分と違う分野・文化の人と話す
 18.仮体験をする
 19.欠点や負の感情を『自分の一部だ』と思う
 20.自分と同じ痛みを持つ人を助ける
 21.誰かの「ありのまま」を愛する

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