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【第1章】職業選択・出会いによって進路を決めたケース

私が「少しでも良いから、先に企業と出会うことから始めた方が良い」と勧めるワケ


キャリアコンサルタントが就活生との相談を行うときに、相談者に『自己理解』と『仕事理解』に取り組むことから勧めるケースが多いと思います。しかし私は学生に対して「少しでも良いから、先に企業と出会うことから始めた方が良い」と勧めています。それはなぜか?

それは、就活生の話を聞くと、『進路を決めるにあたり就職活動の過程で良い出会いをして方向転換した』と言う人が多いからです。キャリアコンサルタントとして相談業務に従事しているとこうした報告をたくさん受ける。私自身の感覚的なもので申し訳ないですが、全体の8割を超えているような気がします。

彼らはどういう経緯でそうなったのでしょうか?

『希望していた業界と異なる業界に進むことになった人』にもっと詳しく理由を訊ねみました。

『どういう理由で就職を決めたのか?』
『職業決定の決め手は何だったのか?』

すると彼らの回答は概ね共通していました。話を聞いて(職場を見て)ここならきっと得るものがあると感じたから全く違う分野に進んだ、とのことでした。

『当初と考えが変わった』ということ

『当初と考えが変わった』ということは、就職活動に限らず、多くの経験や出会いを経てよくある話です。就職活動で『当初と考えが変わった」ということは、決して自分自身が優柔不断だったり、決意や覚悟が足りなかったわけではないと思います。むしろ無知ゆえに盲目的に考えていたのが、多くの出会いを経験するうちに視野が広がり、考え方が変わったということなのです。

視野が広がると結果として選択肢が増えます。そのような背景で進路(選択)が変わったのです。これは学生自身が就職活動を通して一回り成長した証なのです。

人の成長とは経験や出会いから多くの気づきと学びを得ることです。失敗を糧やバネにして次に繋げ、多くの出来事に感動して希望を持ち、挑み続けることは、人が成長を継続することだと思います。

そのようにして内定を獲得した事実は、紛れもなく自分自身の努力を経て勝ち取った『実績』であり、それは、自身の今後の人生において自信と誇りにして欲しいサクセスストーリーなのです。

そこで、この章では出会いによって進路を決めた事例をいくつかご紹介したいと思います。それらの事実を読めば、少しでも早く、まず先に企業と出会い、その後から『自己理解』と『仕事理解』に取り組んでも遅くはないことを理解できるはずです。(というか、企業の話をたくさん聞いているうちに自然と『自己理解』と『仕事理解』は深まってくるので、思うところを書き出して整理すれば良いです)

<全体目次>


はじめに(語ります・・・)
【第1章】職業選択・出会いによって進路を決めたケース

◇就職活動は足を使うことが大切!

合同企業説明会等のイベントには欠かさず出席し、多くの人事の方や企業の方々の話を聞いた。1社でも多くの企業と『出会う』ことが大事。運命の出会いはきっとある!
エピソード① 会社の『教育方針』に感銘を受けて入社を決めたA君の場合
エピソード② 出会いを通じて『飢えや渇きを満たしてくれそうだから決めた』B君の場合

◇行き詰った時には視点を変えてみよう

今、見ているものより多くのものが見たいと思ったら、より高いところに上がらなくてはならない。もう一段上がれば視野を拡げ、選択肢を増やすことができる。それが成長である。

★エピソード③ 視点を変えることで居場所をみつけることができたCさんの場合

大切なのは早く決めることではなく、決めた何かを信じること

企業研究にも会社説明会へも気持ちは消極的だった。周囲に言われて仕方なく赴いた先に怠け者の自分を変える不思議な発見があった。

★エピソード④ 就職活動で仕事への考え方が全く変わったD君の場合

◇出会いの先に希望を見つけることがある

自分の中で何が重要かを考えれば、『早く決めよう』などという雑な気持ちにならない。『これからしっかり歩める道であるか?』、『頑張れる環境であるか?』を見定めること。

★エピソード⑤ 自分が何をしたいかを明確にしたおかげで、会社との出会いに希望をみつけたEさんの場合

◇『働くこととは何か?』と向き合った

社会人になると生活の大部分が仕事になる。そのため、収入を得るための手段として仕事を選ぶのか?または人生の目標となるような仕事を選ぶのか?自分は後者だった。

★エピソード⑥ アルバイトで出会った先輩の存在が就活のゴールを決めたFさんの場合