見出し画像

ミラノ工科大学建築学部でのはじめてのテスト期間

この記事ではミラノ工科大学建築学部での1st Semesterのテスト期間について書きます。テストの他にも成績に考慮される課題もあったのでそちらも合わせて紹介します。

各科目のテストと課題の内容


今学期に履修した科目(通年のスタジオを除く)は以下の5つです。

  • History of Architecture

  • Typology

  • Math

  • Fundamental of Representation

  • StudioのDrawing

では、それぞれの内容を振り返ってみましょう!

History of Architecture

歴史では古代ギリシャローマから近代の手前までを学びました。
テストはWritten Test と Oral Testの2つのタイプがあり、私は筆記試験はすでに終了しました。
この科目は今学期のみですが、テスト日程は年度終わりまで6回設定されており、筆記と口頭で最大6回まで受けられます。また、どちらも一番良い点数を採用してくれる優しい先生です!
私は筆記を4回受けて、27点/30点でフィニッシュしました。今後は6月の口頭試験に向けてレクチャーを復習しないといけません。。。(大変)
その他、個人レポートでは歴史的建築を実際に訪問して写真を撮り、図面も合わせてレポートを作る課題がありました。こちらも28/30点を獲得!なぜこんなに良い点数が獲れたのかは謎です。私が訪れたミラノにあるSan Maurizio al Monastero Maggioreはフレスコ画がとても美しい教会でした!
これら3つの成績の平均で最終成績が決まります。

筆記試験は古代からゴシックまでの範囲で、レクチャーの内容を覚えて答える方式です。日本よりかなり内容は細かいのではと思います。
テストペーパーは4つのタイプがあり、すべて15問で構成されています。そのうち2つは重要な建築のプランを描くものでその他各時代の建築の特徴や代表的な建築を述べる問題、Terminologyや有名な建築のプランを見ながら説明する問題などがあります。問題は6回を通して使い回しなので、友達とチームを組んで問題を洗い出し、回答を作成して挑みました。筆記試験のラスト回では私を含めて3人の友人とチームを組んでいて、みんな27点、28点と点数をあげることができて、なんだかとても嬉しかったです。

口頭試験はルネサンス以降で、100以上ある建築についてランダムに先生から質問され、答えないといけません。今から不安ですが、こちらもチームを組んで取り組もうと考えています。

Typology

タイポロジーは難しい科目で、正直まだ消化できたいないです。今後設計を始めたら活きてくることを願っています。
課題は以下の4つです。

  • Zaha Hadid The Peakの分析

  • 10 Canonical BuildingsのClose Reading

  • Final Test

  • Essay

Zaha Hadid The Peakの分析
この課題ではLe Corbuierの分析手法を使ってアンビルドのPeak projectを分析し、任意の敷地に配置する内容でした。
分析手法は下記の5つです。
・to classify
・to dimension 
・to compose
・to proportion
・to circulation
こちらはそこまで手応えがなかったものの27点とれました。謎です。

10 Canonical BuildingsのClose Reading
この課題ではPeter Eisenmanの"10 Canonical Buildings"からグループが選んだ建築のチャプターをclose readingし、そのコンセプトを模型とともにプレゼンしました。
私は中国人の友人とグループを組み、Luis KhanのAdler and DeVore Houesesのプレゼンをしました。とても緊張しましたが、内容をよかったみたいで、30点いただきました。

Final Test
最終試験では200ページにも及ぶレクチャーの内容と先ほどの10CBについての記述方式のテストが行われました。PDFがあまり役に立たない&レコーディングが残っていないという中でなんとか対策し、27点取れました。

Essay
エッセイはアカデミックライティングの練習も兼ねてるような内容で、教授がセレクトした15~20個のリーディングの中から最低3つを引用して自分が決めたテーマについて書きます。字数は1500~2000wordsです。
cover page/ abstract/ introduction/ body/ conclusionのストラクチャで書くもので、私は渋谷のミヤシタパークについて書き、見事満点をいただきました!!
内容は、前半はル・コルビュジエの5つの分析ポイントに沿って形態分析&Megaform, Hybrid Buildingのリーディングを引用して建築そのものの分析をしました。後半はコンテクストに関する引用を2つ用いて旧宮下公園からのトランスフォーメーションについて議論しました。
ちなみに現在世界ではAIによるエッセイツールが流行しているようで、インプットを与えるだけでエッセイを書き上げてくれるらしいです。そしてそのエッセイも満点を取っていて悲しくなりました。。。アカデミックとは。。。

Math

数学はPart I と Part IIがあり、それぞれベクトル・行列と微積分が範囲でした。Part Iでは28/30点、Part IIは23/30点、そしてボーナスパートで2/3点を獲得したので、最終成績は27/30点となりました。満足しています。
ベクトルと行列ははじめついていけなかったのですが、日本語のYouTubeで学んだところ、確実に点数を稼げました。こちらのテストで面白いのが、
”〜〜の条件に当てはまるaを見つけろ” という問題に対し、
”そういったaは存在しない”という回答があることです。

Part IIの微積分はさすがに難しくて、高校で数IIBまでしかやっていなかった且つ英語で学ぶのが非常に大変でした。ここでもやっぱり日本語のYouTubeで復習して勉強しました。また、これはあまり好きではないスタイルですが、ただ単に問題を解くだけでなく、定義について聞かれる問題もいくつかあり、英語の定義を暗記しないといけないのが苦痛でした。
今年の問題は過去問より少々難しく、全く手応えもなく23点という悔しい結果となりましたが、最終成績がなかなかよかったので目をつぶることにしました。

Fundamental of Representation

この科目ではperspective などの描き方や、Mapping / Surveying / Photogrammetryを学びました。成績は毎週の課題と学期末の口頭試験で決まります。ドローイング自体はとても楽しかったですが、Mapping / Surveying / Photogrammetryは好きでじゃなかったです。
口頭試験は基本的に授業の内容をもとに先生が作成した10つの基本的な質問に沿って準備します。PDFは先生の手書きのものもあり、字が汚過ぎて何を書いてるのか解読するのに時間がかかりました。なおかつ好きじゃない&内容も難しかった&直前に生理痛で勉強できないという状況で、24点しか取れませんでした。テスト日程は2回あるので、この結果が気に食わなかったら拒否してもう一回受けることができます。私は拒否も考えたのですが、もうこの科目を勉強したくないのと、拒否する期限をすぎてしまい、結局24点を受け入れることになりました。
この科目は口頭試験の悪い部分が明るみになっているようなテストでした。ひとりひとりにかける時間もバラバラだし、一応私は勉強して挑みたまに詰まりながらも答えましたが、最終グループの学生の中にはまったく答えられなかったのに私より点数が高い学生もいました。2回目のテストでも同じことがあったらしく、先輩たちも口頭試験は終わってると言っていました。完全に先生の裁量なので、ちょっとアンフェア感が否めないですね。
テスト日程的にこちらで24点という微妙な点数を叩き出したため、歴史は最後までねばって点数を伸ばす作戦に出ました。

Studio Drawing

ドローイングは朝の9:30に先生が黒板に書いた建築をググるところから始まり、自分で図面や寸法、写真を入手して図面を描くというものでした。
今回のお題はStone House by ヘルツォーク&ドムーロンでした。スケール1:100でGround Floor, 1st FloorのPlan, one Section, one elevationを午後の5時半までに描き上げなかえればいけませんでした。先生は簡単だと言いましたが、意外と時間がきつきつでお昼抜きでなんとか終わらせました。
成績はA-で修正したものを提出すれば成績を向上できるようです。優しいですね。

まとめ

ミラノ工科大でのテスト期間について振り返ると、日本と違って点が多々ありました。
良い点としては、
・スケジュールを自分で決められる。
→帰省を長くしたい子は後半の日程を選んで、長く休暇をとっていました。
→得意不得意によってスケジュールを組んで効率よく回せる。
・何回かチャンスがある
・点数を拒否して次回または来年に持ち越しできる

悪い点は
・口頭試験の点数の付け方が不明瞭且つアンフェア
・うっかりテストの登録や点数の拒否を忘れるとやばい

英語がめっちゃ上手くない割にはなかなかがんばったと思います。
これからも日々の課題を頑張ります!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 サポートくださったお金は留学の資金として使わせていただきます。