もうすぐ見頃の花菖蒲

「昨日は、よく降ったねー。」
「止んだのは、夜になってからだったね。」
昨日は、ずっと一日中、雨でした。
時おり、風も雨も強くなって、台風のようでした。

りこちゃんと こざる達は、いつものように
皆で一緒に、賑やかに 朝ごはんを食べています。

テレビでは、花菖蒲のニュースをやっています。
そろそろ咲き始めて、来月の初めから中頃が見頃でしょうか。

「わぁ、りこちゃん、花菖蒲、綺麗だねー。」
「そうね、とっても綺麗ね。」
「他の花は木だったり、もっと小さな草花だったりするけれど、
花菖蒲は、田んぼに咲いていて、特別な感じがするよ。」
「うん、みんな、凛として、すくっと真っすぐに立って咲いていて、
清楚な和風の美しさだね。」

"いずれ菖蒲か 杜若"、という諺もありますね。

「ぼく達も、皆で一緒に、明治神宮の菖蒲園に行ったねー。」
「うん、とっても綺麗で、絵のようだったよ。」

りこちゃんと こざる達は、花が大好きで、何か見頃だというと、
じゃあ観に行こうよ、と 出かけていました。

「花は、皆を笑顔にしてくれるからね。」
確かに どの人も嬉しそうに ニコニコしていますね。

「花は、別に皆を笑顔にする為に咲いているわけじゃないのにね。」
「そうだよね。でも、本当の本当は、そうなのかもしれないよ。」
「えーっ?」
「だってさ、もしこの世から花がなくなったら、
とっても寂しいと思わない?」
りこちゃんも、こざる達も、皆、うんうん頷きます。

「そうだよね。もし桜が咲かなかったら?大変だよ!」
「桜だけじゃないよ、どの花だって、
ちゃんと自分の順番が来ると咲いて、
それをちゃんと毎年、毎年、ずっと繰り返しているんだ。」
「そうだね、温暖化で気候条件が厳しくなっても、
静かにコツコツ準備して、ちゃんと花を咲かせているんだよ。」

皆、そうだなぁと思って、うんうん頷きます。

皆、朝ごはんを食べ終わったようです。
「じゃあ、食後のコーヒー、淹れようかな。」
こざるちゃんが立ち上がって、言います。
「うん、お願いねー。」

今日も こざるカフェは、ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
花は一輪でもあると、癒されたり、元気になったりします。
よい毎日でありますように (^_^)