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読書の記録 池井戸潤『ロスジェネの逆襲』

半沢直樹シリーズ第3弾。大和田常務の不正を暴いた半沢は、どういうわけか、東京中央銀行の子会社の東京セントラル証券に出向することに。東京セントラル証券では、半沢同様、銀行から出向してきた出向組と、セントラル証券の生え抜き社員が対立しています。たいした仕事もしないくせに重要な仕事を任される出向組に生え抜き社員は怒りと諦めのまざった複雑な感情を抱いています。こういう気持ちは私も非常によくわかります。

さて。
物語は半沢にIT企業買収案件が転がり込んだところから始まります。かなりの収益が見込まれる案件だったんですが、あろうことか、この案件を親会社たる東京中央銀行に横取りされてしまいます。筋の通らないやり方を最も嫌うのが半沢直樹。銀行への倍返しがはじまります。

出向組対生え抜き社員という構図のほかにも、『ロスジェネの逆襲』ですから、世代間の対立構図というのもありまして、厳しい就職氷河期を乗り越えて証券に入ったロスジェネ世代と、碌に仕事もできないくせにバブルの恩恵を受けて銀行に入行したバブル世代の対立も軸になっています。

ドラマでは第二弾に出てきた大和田常務や黒崎検査官が小説では出てこないんですが、あの二人がいなくとも展開の劇的さときたら、まあ、早く次のページへ進みたくて仕方ないといった感じでございます。池井戸潤さん、すごいっす。これはドラマでもそうなんですが、半沢直樹が実に当たり前のことを言うんです。ところが、その当たり前のことが当たり前にできる企業、人、というのが現実世界には実に乏しいが故に、その当たり前の言葉が刺さるんです。そやねん、そんな当たり前のこと、なんでオレたち、できないんやろ。心を奮い立たせ、今日からまたオレは仕事に打ち込むのです。

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